新時代

第3部 ルールなきサイバー空間(4) 攻撃防御、進まぬ一元化

サイバー空間で仕掛けられる情報操作
サイバー空間で仕掛けられる情報操作

民間だけでは無理。インフラ混乱の後では遅い。

 「ビルが危ない」。日本のサイバーセキュリティー関係者の間では、こんな危機感が高まっているという。空調、照明、エレベーターといったビルのシステムは従来、それぞれ切り離されて管理されてきた。しかし、近年は全てインターネットに接続し、遠隔から監視したり制御したりするようになってきている。

 新たなリスクは既に生じている。2013年、米フロリダ州で刑務所のシステムが乗っ取られ、収容房の扉が一斉に開いて暴動が発生。16年にはフィンランドでサイバー攻撃により外気温がマイナス2度の中でビルの暖房が停止した。

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