昭和天皇の87年

アドルフ・ヒトラー登場 ファシズムの風が、極東でも吹きはじめた

画=千葉真
画=千葉真

第112回 ナチス台頭

 岡田啓介内閣が発足した昭和9年、欧州では、ファシズムの嵐が吹き荒れていた。台風の目となったのは、ナチス・ドイツである。

 話は15年前にさかのぼる。1919(大正8)年の初秋、ドイツ南部の都市ミュンヘンで、反ユダヤ、反共産、反資本主義を掲げる小政党に、軍属情報員の男が入党した。名前はアドルフ・ヒトラー。過激な演説でたちまち党員の心をつかみ、やがてフューラー(指導者)と呼ばれるようになる。

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