昭和天皇の87年

狙われた重臣たち 天皇は「お声を上げてお泣き遊ばした」

画=千葉真
画=千葉真

第114回 排撃(2)

 「重臣ブロックの指導精神は連盟脱退、軍縮問題の実例に見ても判るやうに今や清算すべき時に直面して居る、それは欧米追従主義で御都合主義、穏健主義だ」

 いわゆる天皇機関説問題で東京帝大名誉教授の美濃部達吉が不敬罪に問われ、帝国議会が揺れに揺れた昭和10年6月、立憲政友会の有力議員で、派閥の領袖(りょうしゅう)だった久原房之助が新聞に寄せた談話だ。親軍派の久原は、天皇機関説をばっさり斬り捨てる一方、その剣先を「重臣ブロック」、すなわち昭和天皇の側近たちに向けた。