病巣 ゴーン事件(下)

ぶれた裁判所 脱人質司法へ「保釈ありき」

 「これは布石かもな」

 昨年12月17日。東京・霞が関の検察庁に重苦しい空気が漂った。東京地裁はこの日、リニア中央新幹線建設工事をめぐる談合事件で9カ月余り勾留されていた、大手ゼネコン2社の元幹部ら2人の保釈を認めた。

 日本では被告が起訴内容を否認すれば、勾留が長期化する傾向がある。逃亡や証拠隠滅を防ぐためだが、弁護士らからは「人質司法」と揶揄(やゆ)されてきた。

 金融商品取引法違反で逮捕、起訴、再逮捕された日産自動車前会長、カルロス・ゴーン(65)をめぐり、「人質司法」「長期勾留」といった日本の刑事司法制度に対する批判が国内外から高まっていた時期だけに、検察幹部らは「ゴーンを保釈するための地ならし」と読み、身構えた。

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