施設長刺殺不起訴「やりきれない」 地域に開かれた児童施設「防犯に限界」

 東京都渋谷区の児童養護施設「若草寮」で2月、施設長の大森信也さん=当時(46)=が刺殺された事件。東京地検は17日、現行犯逮捕されていた元入所者の男性(23)について、不起訴処分としたが、地域に開かれた児童養護施設で起きた刺殺事件は、施設の安全管理の難しさを浮き彫りにした。住宅街に設置された施設は多く、関係者は「施設は子供たちの生活の場でもあり、防犯の強化には限界がある」と頭を悩ませる。

 「本当にやりきれない。施設への偏見を生むのではなく、社会全体で退所者へのケアを考える機会になってほしい」。