偏西風

「開かずの扉」またも 自白の疑義、司法は検証せよ 真鍋義明

平成29年12月に再審開始が決定し、記者会見する西山美香さん(左)。今度開かれる再審公判で検察側は有罪立証する方針という=大津市(彦野公太朗撮影)
平成29年12月に再審開始が決定し、記者会見する西山美香さん(左)。今度開かれる再審公判で検察側は有罪立証する方針という=大津市(彦野公太朗撮影)

 「本当に?」と耳を疑った。滋賀県の病院で患者の人工呼吸器を外して死亡させたとして殺人罪が確定、服役した元看護助手、西山美香さん(39)の再審公判について4月、検察側が有罪を主張する方針と聞いたときのことだ。再審公判で有罪立証を維持するのは最近では珍しい。事件は捜査段階での自白が偽りだった疑いなどが出てきたため、最高裁が3月、検察側の特別抗告を棄却して再審開始が決まっていた。弁護側は当然、検察側を批判したが、ここは同種の事件を繰り返させないための「徹底検証の機会」と考えてみてはどうか。ここ数年の再審事件では「自白の信用性」が問われるケースが相次いでいるからだ。

 ◆有罪立証への壁

 平成15年5月、滋賀県東近江市の湖東記念病院に入院中の72歳の男性が死亡した。当時看護助手だった西山さんが任意の事情聴取で「人工呼吸器を外した」などと供述、殺人容疑で逮捕された。