
第150回 同盟問題(2)
日独伊三国同盟-。歴史的にみてそれは、日中戦争で悪化した日本とイギリスとの関係改善を断ち切り、イギリスを支援するアメリカとの開戦へと突き進む、片道切符といえるだろう。
昭和14年1月6日、ドイツから三国同盟の正式提案を受けた首相の平沼騏一郎は、陸海両相と外相、蔵相による五相会議を招集し、対応を協議した。有事の際、ソ連のほか英仏も攻撃対象とする同盟案に賛成したのは陸相のみで、外相が反対したのは言うまでもない。海相と蔵相も外相を支持し、激論の末、やや妥協して次の4条件を付けることにした。