昭和天皇の87年

ノモンハン事件の真実 関東軍は本当に「惨敗」したのか-

画=千葉 真
画=千葉 真

第154回 大草原の激戦(2)

 1939(昭和14)年8月20日、満州とモンゴルの国境地帯、ノモンハンの大地が揺れた。無数の砲弾が突き刺さり、砂塵を巻き上げ、土石の雨を降らせた。ソ連第一集団軍司令官、ゲオルギー・ジューコフ(※1)が指揮をとる、一大攻勢がはじまったのだ。

 圧倒的火力を有する5万7千人のソ連軍が、砲弾の欠乏しかけた2万人弱の関東軍に襲いかかる。同日、早くも関東軍陣地の最左翼を守る満州国軍部隊が突破され、ソ連の装甲車部隊が背後に深く進入。不意を突かれた主力の関東軍第23師団は、いきなり全滅の危機に直面した。

 空からは約300機のソ連機が猛爆撃を繰り返す。ノモンハン事件の初期、空中戦は日本機の圧勝だったが、ジューコフはスペイン内戦を戦ったベテランパイロットを続々と投入、制空権を奪っていた。

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