偏西風

浸透する計画運休 社会の成熟測る「ものさし」

台風15号の際の計画運休で「午前8時」の再開予告にあわせ改札前に並ぶ利用客。周知方法が混乱の一因となった=9月9日、千葉県浦安市のJR新浦安駅
台風15号の際の計画運休で「午前8時」の再開予告にあわせ改札前に並ぶ利用客。周知方法が混乱の一因となった=9月9日、千葉県浦安市のJR新浦安駅

 台風などの悪天候が予想される際に、鉄道会社が事前に列車の運行取りやめを予告し、公表する計画運休には2つの大きな柱がある。「乗客の安全優先」と「迅速かつ安全な運行再開」だ。前者は当然のことだが、後者は社会のさまざまな活動に支障を生じさせないための減災の取り組みでもある。その視点から最近の事例を考えたい。

 ◆試行錯誤、「空振り」も

 まず強い勢力のまま、今月9日に関東を縦断した台風15号。鉄道各社による計画運休が実施されたが、首都圏の交通網には大きな混乱が生じた。

偏西風