昭和天皇の87年

「空の神兵」の活躍も台無し!? 戦局を悪化させた陸海軍の対立

画=井田智康
画=井田智康

第178回 連戦連勝(2)

 シンガポール陥落の3日後、昭和17年2月18日、昭和天皇は《御料馬白雪に乗御され、宮城正門二重橋鉄橋上にお出ましになる。宮城前外苑における戦捷祝賀の旗行列を御覧になり、万歳、君が代の奉唱を受けられ、御会釈を賜う。(中略)その後、皇后が皇太子(上皇さま)・成子内親王・和子内親王・厚子内親王を伴って二重橋鉄橋上にお出ましになる》(昭和天皇実録30巻34頁)

 開戦前、保守派の重臣らは対米戦争に最後まで反対していた。国民の一部にも慎重論が残っていたが、シンガポール陥落の頃には、ほとんどみられなくなったとされる。予想を上回る陸海軍の快進撃に、日本国中が早くも戦勝気分に沸いた。昭和天皇も、やや楽観的になっていたようだ。

 各地の戦況報告が、続々と昭和天皇に届く。