昭和天皇の87年

帝都爆撃!ドーリットル空襲の衝撃 それでも天皇は動じなかった

画=井田智康
画=井田智康

第179回 運命の海戦(1)

 昭和17年4月18日の朝、日本からおよそ1200キロ離れた、見渡す限りの大海原、太平洋-。朝日を浴びて西航する米空母ホーネットから、16機の中型爆撃機B-25が飛び立った。航空隊を率いる指揮官、ドーリットルに与えられた任務は「真珠湾の復讐」、帝都をはじめ各都市の、奇襲爆撃である。

 それより前、アメリカでは未曾有の混乱が起きていた。まさかの真珠湾攻撃に加え、太平洋の島々が相次いで陥落したため、いずれアメリカ本土も攻撃されるだろうと、パニック状態に陥っていたのだ。

 2月23日には日本海軍の伊17潜水艦にロサンゼルス近郊の製油所を砲撃され、西海岸に厳戒態勢がしかれた。25日未明には正体不明の飛行物体を日本軍機と勘違いし、対空砲を猛射する騒動もあり、同士討ちで死者が出るほど混乱が広がっていた。