昭和天皇の87年

悲惨!スターリングラード攻防戦 独軍司令官は極寒の廃墟で降服した

画=井田智康
画=井田智康

第184回 暗転(2)

 先の大戦を振り返るとき、日米の国力だけを単純に比較して、開戦そのものが無謀極まりなかったと断罪されがちだが、それは結果論だ。日米の間には広大な太平洋がある。それを越えてくる米軍を、日本の勢力圏で着実に迎え撃つ戦略に徹していれば、負けたとしても違った展開になっただろう。

 この戦略をとらず、暴走したのは海軍である。開戦前の想定では、陸海軍協同でマレー半島やジャワ、スマトラ、ボルネオ各島の資源地帯を攻略し、自存自衛の持久体制を築くはずだった。

 ところが海軍はそれを越え、フィジー、サモア、ニューカレドニア、さらにはオーストラリアまで進攻しようとした。国力を無視した、無謀な戦略といえる。