昭和天皇の87年

捨て身のレイテ決戦 戦艦大和の出現に米軍はパニックとなったが…

第189回 一撃講和(1)

 東条英機内閣が退陣してから3カ月後、昭和19年10月18日、昭和天皇は《御学問所において軍令部総長及川古志郎・参謀総長梅津美治郎に謁を賜い、国軍の決戦要域を比島方面とする捷一号作戦(※1)発動につき上奏を受けられる。これに対して、皇国の興廃がかかる重大な一戦につき、陸海軍真に協力、現地軍・中央一体となり、万遺憾なきを期し、邁進すべき旨の御言葉を賜う》(昭和天皇実録32巻175頁)

 昭和天皇が「皇国の興廃がかかる重大な一戦」とまで言い切るのは異例だ。この決戦にかける期待の大きさがうかがえよう。