昭和天皇の87年

名将、栗林忠道の力戦 硫黄島の浜辺は米兵の鮮血で染まった

画=井田智康
画=井田智康

第194回 硫黄島の戦い

 日本本土への無差別爆撃を本格化させた米軍にとって、何としても手に入れたい戦略拠点があった。サイパンと東京の中間にある、硫黄島である。

 超空の要塞と呼ばれたB-29も、完全無欠ではない。護衛機なしでは日本機に迎撃される危険があり、損傷や故障でサイパン周辺の飛行場に戻れない恐れもあった。B-29の中継基地となり、護衛機の発着基地ともなる、硫黄島の確保が不可欠だったのだ。

 本土空襲の指揮をとる米第21爆撃軍司令官、カーチス・ルメイが言う。

 「硫黄島がなければ、日本を効果的に爆撃することはできない」-