偏西風

阪神大震災25年 語り継ぐ、備え忘れぬために 大谷卓

平成7年1月に起きた阪神大震災の発生時刻午前5時46分を前に竹灯籠に明かりをつける人ら=17日、神戸市中央区の東遊園地(寺口純平撮影)
平成7年1月に起きた阪神大震災の発生時刻午前5時46分を前に竹灯籠に明かりをつける人ら=17日、神戸市中央区の東遊園地(寺口純平撮影)

 阪神大震災の発生から17日で四半世紀がたった。多くの人から大切な人を奪った「あの日」のことを忘れず、後世に伝え続けなければならない理由を改めて考える。

社会のあり方も変えた

 まずは被害規模をみる。兵庫県の淡路島北部を震源地として平成7年1月17日午前5時46分に神戸市や阪神間の各都市などを襲った震度7の大地震は6434人の尊い命を奪った。負傷者は4万3792人。被害に遭った住宅は約64万棟に上る。兵庫県が今年1月に公表した「阪神・淡路大震災の復旧・復興の状況について」によると、建築物や高速道路、港湾などの被害総額は9兆9268億円に及んだ。