昭和天皇の87年

裏切りのヤルタ秘密協定 日本は、最悪の国を頼ろうとした

画=井田智康
画=井田智康

第198回 鈴木貫太郎内閣(2)

 沖縄における組織的戦闘の終結後、昭和20年6月22日に昭和天皇から終戦和平の具体的研究を求められたことを受け、鈴木貫太郎内閣が取り組んだのは対ソ交渉である。

 中立関係にあるソ連を通じての現状打開策は、前内閣の頃から検討されていた。しかし、鈴木が組閣の大命を受けた4月5日、ソ連は1年後に迫った日ソ中立条約の有効期限を延長しないと通告。日本と敵対する姿勢を強めていく。それでも対ソ交渉に頼ろうとしたのは、米英の無条件降伏要求により、直接交渉の道が閉ざされていたからだろう。

 だが、ソ連に日本の運命を託すのは、当たりのないくじを引くより、なお悪い結果を招くことになる。