昭和天皇の87年

日本の敗戦 大東亜共栄の大義は間違いだったのか

画=井田智康
画=井田智康

第200回 終戦(2)

 日本国政府に対し、日本国軍隊の無条件降伏を求めたポツダム宣言-。陸海軍はもちろん拒絶したが、受諾以外にないと考えた外務省も、直ちに調整に乗り出したわけではなかった。対ソ交渉による終戦工作を、捨てていなかったからだ(※1)。

 特使として近衛文麿を派遣すると打診したものの、ソ連が受け入れの諾否を明らかにせず、終戦工作が遅々として進まないことはすでに書いた。時間稼ぎをするソ連の狙いは、日本が降伏する前に参戦して千島や南樺太を奪い、満州に勢力圏を伸ばすことだ。ソ連に終戦の仲介を頼むことは、強盗に財布を預けるようなものだったといえよう。