世界初の缶コーヒーは日本人作、司馬遼太郎「誇っていい」

ミラ・コーヒーのポスター(島根県浜田市提供)
ミラ・コーヒーのポスター(島根県浜田市提供)

 世界で初めて缶コーヒーの商品化に成功したのが日本人だったのはご存じだろうか? 独自のネルドリップ製法で濃厚で香り高いコーヒーを生み出した、島根県浜田市出身の三浦義武(1899~1980年)だ。その一杯は多くの著名人や文化人を魅了し、缶コーヒー発売の案内状には親交のあった作家、司馬遼太郎の推薦文が同封されていた。長く埋もれた存在だったが近年再評価が進み、同市は、その味を復刻させた「ヨシタケコーヒー」を軸に“コーヒーの薫るまちづくり”を進めている。

コーヒーの缶詰

 三浦は島根県の豪農の家に生まれた。大学進学で上京後、コーヒーに魅せられて研究に没頭。独自のネルドリップによる濃厚なコーヒーの抽出方法を考案した。昭和10年に東京のデパートで「コーヒーを楽しむ会」を開催すると評判になり、多くの著名人や文化人らも足を運んだ。

 戦後、浜田市に「喫茶ヨシタケ」を開いた三浦は、店のコーヒーをヨーロッパに輸出したいと考えるようになった。当時、同市は缶詰製造が盛んだったことから「コーヒーの缶詰」を思いついたという。