偏西風

被害者救わない強制不妊判決 「20年の壁」適用は公平か 大阪社会部次長・真鍋義明

強制不妊訴訟の判決後、垂れ幕を掲げる原告側の弁護士=11月30日午後、大阪市北区の大阪地裁(寺口純平撮影)
強制不妊訴訟の判決後、垂れ幕を掲げる原告側の弁護士=11月30日午後、大阪市北区の大阪地裁(寺口純平撮影)

 旧優生保護法(昭和23年~平成8年)下の強制不妊手術訴訟で大阪地裁は11月30日、原告側の請求を退けた。20年が経過すれば損害賠償請求権が消える民法の「除斥(じょせき)期間」の解釈を厳格に適用した結果だが、事案の特性に鑑(かんが)みると判断には不満が残る。

 「非人道的で差別的」(地裁判決)な旧法により、原告らは内容を知らされずに手術を受けていた。旧法によって差別や偏見が根付いた社会で、障害のある被害者らは声を上げることも、司法手続きを取ることも難しかった。特別な事情が存在したとして、除斥期間を適用しない選択肢もあったであろう。