BLM「日本は関心が希薄」 抗議活動に参加した在日米国人男性の思い

「日本人も黒人差別問題に関心をもってほしい」と呼びかけるマンス・トンプソンさん=11月、東京都内(植木裕香子撮影)
「日本人も黒人差別問題に関心をもってほしい」と呼びかけるマンス・トンプソンさん=11月、東京都内(植木裕香子撮影)

 「ブラック・ライブズ・マター」(黒人の命は大切=BLM)。新型コロナウイルス禍に揺れた今年、米国では黒人差別問題の根深さを改めて浮き彫りにする運動が起きた。日本でも東京などでデモが行われるなどしたが、多くの日本人にとって「対岸の火事」という感覚はぬぐえない。抗議活動に参加し差別解消を訴えた日本在住歴約20年のアフリカ系米国人、マンス・トンプソンさん(47)=東京都渋谷区=は、「関心の希薄さが問題の先送りにつながる」と訴える。(植木裕香子)

母国での経験

 フリーカメラマンとして活動するトンプソンさんは米中西部のミシガン州出身。鉄道会社の社長などを務めた両親のもと、経済的に恵まれた環境で育った。通った私立小学校には白人の生徒も多かったが、黒人差別を受けた記憶はないという。

 「現実」に直面したのは高校時代。サッカーの試合中、対戦相手のボールを奪ってゴールを決めた瞬間、相手の白人選手から「ニガー」(=黒人の蔑称)と呼ばれた。「友人が止めなければ、相手を殴っていた」