梅干し値上げも 気温下がってミツバチ働かず 梅が記録的不作

次々にパック詰めされる梅干し=和歌山県田辺市の中田食品
次々にパック詰めされる梅干し=和歌山県田辺市の中田食品

 梅干しの原料となる梅の収穫量が昨年、過去30年間で最低となり、日本一の梅の産地・和歌山県では、梅干しの値上げに踏み切るメーカーが出てきた。梅干しは外食よりも家庭で食べられることが多いため、新型コロナウイルスによる販売不振などの影響は比較的小さいとされるが、昨春の気温の急激な変化で供給が滞る事態に。和歌山県産梅干しの主力品種にはもともと、ミツバチによる受粉状況で収穫が左右されるという問題があり、梅農家の悩みは尽きない。(張英壽)

ミツバチの活動鈍る

 農林水産省によると、昨年の全国の梅収穫量は7万1100トンで、平成元年(6万6400トン)の翌年以降では最も少なかった。一昨年も8万8100トンと少なく、2年連続の不作だ。