眠るのは〝嫉妬〟で知られる仁徳天皇皇后か ウワナベ古墳で見つかったかけら

佐紀古墳群で最大の大きさと判明したウワナベ古墳=奈良市(本社ヘリから、柿平博文撮影)
佐紀古墳群で最大の大きさと判明したウワナベ古墳=奈良市(本社ヘリから、柿平博文撮影)

 昨秋に発掘調査が行われ、墳丘の長さが全国12位の規模であることが分かった奈良市の前方後円墳「ウワナベ古墳」(5世紀前半)。巨大前方後円墳が集まる古墳群としては国内屈指の佐紀(さき)古墳群にあり、天皇や皇族の墓の可能性がある「陵墓参考地」とされるが、そこに眠る被葬者は特定できていない。こうした中、調査で見つかった1点の土器片から、平安時代には仁徳天皇の皇后・磐之媛(いわのひめ)の陵墓として管理されていたとの説が浮上している。(川西健士郎)

ウワナベ古墳の墳丘に葺かれた石のすき間から発見された平安時代の灰釉陶器片(奈良市埋蔵文化財調査センター提供)
ウワナベ古墳の墳丘に葺かれた石のすき間から発見された平安時代の灰釉陶器片(奈良市埋蔵文化財調査センター提供)

400年後も墳丘維持

 ウワナベ古墳の調査は昨年10~11月に宮内庁と奈良県立橿原考古学研究所、奈良市が実施。普段は水がたまっている周濠(堀)の水位を下げ、築造時の墳丘を調べた。