駆逐艦「菊月」 戦没80年で慰霊碑建立 クラウドファンディング募集

赤茶けた船体の一部が海面上に突き出ている駆逐艦「菊月」(菊月会提供)
赤茶けた船体の一部が海面上に突き出ている駆逐艦「菊月」(菊月会提供)

 先の大戦中の昭和17年5月、南太平洋ソロモン諸島で沈没した駆逐艦「菊月」の慰霊碑を建立する計画が、民間団体「菊月会」の手で進められている。菊月は浅海に着底した状態で、海面上にある唯一の日本海軍の軍艦とされる。菊月会は来年の戦没80年に慰霊碑を建立しようと、必要経費をクラウドファンディングで募集するとともに、元乗組員の遺族らに除幕式への参列を呼びかけている。

 島の緑に囲まれた静かな海。海面上には船体の一部が突き出ているが、赤さび朽ちかけている。戦没から79年が過ぎた現在、かつて大砲が据え付けられていた砲座には鳥が巣を作り、平和の象徴のように卵を産み落としていた。

 昭和17年5月、菊月は珊瑚海海戦で米軍機の攻撃を受けた。船体は大破し、後に日米の激戦地となったガダルカナル島の対岸にある小さな島の沿岸に着底した。戦死者は12人だった。