浪速風浪速風 記事一覧会員向け記事

  •  マスク騒動に人の品性が見える。先日、お年玉貯金から8万円を材料代にあて、手作りのマスク600枚余りを山梨県に寄付した甲府市の女子中学生が話題になった。同じ頃、大量のマスクをネット販売し888万円を売…

  •  誰もいない東京という嘘のような光景を詰め込んだ写真集がある。平成12年に発表された「TOKYO NOBODY」。写真家の中野正貴さんが、人影が消えた瞬間の街角を10年間にわたり撮りためた。見ていると…

  •  そういえば同じ名前だった。メキシコの人気ブランド「コロナビール」の製造メーカーが生産を一時的に停止するという。名前のせいで…と思ったがそうではなく、ウイルスの感染拡大で政府が企業活動を禁止したからだ…

  •  「書を捨てよ、町へ出よう」といったのは歌人・劇作家の寺山修司だが、新型コロナウイルスが猛威をふるっているいまは違う。「家にいよう」が合言葉である。不要不急の外出は控えたい。すべての世代がそうだが、若…

  •  関西のスポーツ界からも、新型コロナウイルスの感染者が相次いでいる。大人数で会食していたプロ野球阪神タイガースの事例に酌量の余地はないが、サッカーJリーグ、ヴィッセル神戸の酒井高徳選手のコメントには、…

  •  茶の湯に「見立て」という言葉がある。本来、茶道具ではないものを茶道具に見立てて使う工夫のことで、表現の一つでもある。千利休が水筒として使われていたヒョウタンを花入れに使ったのは有名だ ▼新型コロナウ…

  •  大人から見ると下品な悪ふざけに過ぎず、子供の教育上よろしくない-。志村けんさんの芸は、おおむねそんな風にみられてきた。しかし、実は研究熱心で丁寧に笑いを作っていたという。好んで聴く落語家は、学究肌で…

  •  人生にムダなことはひとつもない、と言ったのは屈指の苦行とされる「千日回(かい)峰(ほう)行(ぎょう)」を2度達成し87歳で亡くなった天台宗大(だい)阿(あ)闍(じゃ)梨(り)、酒井雄(ゆう)哉(さい…

  •  首都圏などで不要不急の外出や移動の自粛が要請された異例の週末である。大阪でも外出を控えるよう呼びかけられた。感染者の増加が懸念されるだけに、十分警戒して臨む必要がある。一日も早いこの国の平安回復を祈…

  •  新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、東京五輪・パラリンピックが1年程度延期されることが決まった。代表選手の選考をどうするのか、会場を確保できるのか、追加費用はどこが負担するのか…。世界最大級…

  •  官僚が政府に都合のいいように事実を曲げて文書を作り、つじつまが合わなくなると過去の記録を改竄(かいざん)する。政府の発表に疑いを抱き、真実を追うことは命がけ-。ジョージ・オーウェルの小説「1984」…

  •  うすうす分かっていても、はっきりと数字を突きつけられるとツライものだ。「家族を含め新聞を購読していますか」との問いに76%以上が「いいえ」と答えた。21日付の大阪夕刊1面、大学生へのアンケート結果で…

  •  「兵庫では爆発的な感染がいつ起きてもおかしくない状況と聞く」と大阪府知事。「コメントするにも値しない」と兵庫県知事。けんかをしている場合ではあるまい。両府県民、日本国民、いや人類が協力して新型コロナ…

  •  花に来て花にいねぶるいとまかな(与謝蕪村)。「花に来て」とは花見に来てという意味で、なのにいねむりをしてしまったよ…というとてものどかな春の一句。うららかな情景が目に浮かぶようで、「花にいねぶる」と…

  •  コンプライアンス不良は製薬業界にとって頭の痛い問題だ。医薬品の服用規定が守られないことを指す用語で、簡単に言うと大体は患者の飲み忘れ。高齢になって薬の種類が増えた場合は要注意だ。薬が十分に効かなくな…

  •  平安時代、都だった平安京が都市として発展すると疫病の流行が激しくなった。「人々はそれを横死した人々の怨霊のしわざとしたり、外国から渡来してきた疫神によると考えた。たしかに疫病が蔓延(まんえん)する様…

  •  「うらゝかなれば、峰によぢのぼりて、はるかにふるさとの空を望み…」。鎌倉期の古典、鴨長明(かものちょうめい)「方丈記(ほうじょうき)」(岩波文庫)から。大火、地震、それに疫病。人々を襲った災難をつづ…

  •  「試合中は円陣を禁止し、マウンドに集まる時などはグラブで口を覆う」「宿舎から球場までの移動は大会本部が用意した各チーム専用のバスを使用する」「宿舎の食事は個別、または一般客と時間や場所を分けて提供し…

  •  コラムニストの山本夏彦が向田邦子の小文をこう評した。「男たちの多くは戦争中は暗いことばかりで楽しいことなぞ一つもなかったと言うから、若者はそうかと思うよりほかないが、あれは深刻ぶったインテリの紋切型…

  •  大阪・梅田あたり、あるいは郊外のショッピングセンターを歩いていると、この国は不安を抱えつつも一応は豊かさを保っているのだと感じる。しかし、東日本大震災の発生から9年となる今も、ふるさとに帰ることので…

  •  敵国に対する国防策は政府で熱心に研究されているだろうが、と物理学者、随筆家の寺田寅彦は「天災と国防」(昭和9年)でいう。続けて「大天災に対する国防策は政府の何処(どこ)で誰が研究し如何(いか)なる施…

  •  イソップ物語に出てくるコウモリは、いがみ合っていた獣一族と鳥一族の二股をかける。あるときは「全身に毛が生えているから獣の仲間」と言い、別のときには「羽があるから鳥の仲間」と訴えた。やがて和解した両方…

  •  1日1万5000円でもなかなかのものだと思うが、世間の相場は違うのだろうか。アルバイト料である。学生時代、最も割のいいのは家庭教師で、それでも1カ月でせいぜい2万円ほどだった。気になるウグイス嬢と呼…

  •  大阪府北部のスーパーで朝から入り口に人だかりができ、駐車場に入りきれない車が列を成していた。店から出てきた人の多くがトイレットペーパーを抱えている。宮城県の知人によると、お年寄りが「都会に住む娘のた…

  •  「サイタ サイタ サクラ ガ サイタ」。日本文学研究者のドナルド・キーンさんが、最初に習った日本語という。大学時代、その文章で始まる「小学国語読本」を使った(瀬戸内寂聴さんとの共著「日本の美徳」から…

  •  「電話をかけたんですがね--徹底的な措置をとらなきゃ、なんのかんのいってるだけじゃだめだって。病疫に対してそれこそ完全な防壁を築くか、さもなきゃ全然なんにもしないのもおんなじだって、いったんです」 …

  •  持病の検査のために病院を訪れると「症状が悪化しかねない患者や高齢者の方がいます。不要不急のお見舞いはご遠慮ください」との院内放送があった。通勤に使う地下鉄でも、乗客に時差出勤やテレワークへの協力を求…

  •  大型ショッピングセンターは、売り上げの落ちたテナントに退去してもらい、新鮮味のあるブランド、話題の商品群に入れ替えることで魅力を保つという。テナント側には厳しい掟(おきて)だ。集客が見込める施設に店…

  •  インターネットで話題になったNHK放送をもう一回見ようという、「ネトバズ」なる番組がある。20日深夜から、「心の傷を癒(いや)すということ」最終話が放映された。阪神大震災下、被災者の心の問題を本紙で…

  •  東京五輪・パラリンピックのモットーが「United by Emotion」に決まった。参考和訳は「感動で、私たちは一つになる」。大会主催者が世界と共有したいアイデアやコンセプトの本質をシンプルな英語…

  •  言わせてもらうが、そもそも、自分の資金で実現できる“身の丈にあった”教育をめざすべきだった。詐欺などの罪に問われ、大阪地裁で懲役5年の実刑判決を受けた学校法人「森友学園」の前理事長、籠池泰典被告であ…

  •  スマートフォンで簡単に支払いができる「○○Pay」のキャンペーン合戦がすさまじい。運営事業者は、それぞれの利用者に買い物額に応じて何割かをポイント還元するという。当面の赤字は必至だが、勝算あってのこ…

  •  ああ、またかと思うと寂しいが、仕方がない。昭和32年のオープンから親しまれてきた大阪府岬町の「みさき公園」を3月末で閉園すると南海電鉄が発表した。かつて「南海のドル箱」と呼ばれたが、時代の流れだろう…

  •  新型コロナウイルスに感染した国内初の死者が出た。和歌山県などでも感染者が確認された。しかし必要以上に怖がらず、冷静に正しく警戒したい。手洗いを励行し、咳(せき)が出るときはマスクなどで口を覆いたい。

  •  産経新聞の歴代の阪神タイガース担当の記者が書いた『トラ番記者が見た! 阪神タイガース事件の真相』(産経新聞出版)という本がある。もともとはインターネットのニュースサイト用にリレー形式で執筆したもの。…

  •  日本企業に「熱意あふれる社員」は6%しかいない-。米国の調査機関がまとめたデータに経営者らが少しざわついた。139カ国中132位。調査は2017年と少し古いが、先週開かれた関西財界セミナーで議論の材…

  •  駅のコインロッカーががら空きだ。使われていないことを示す番号付きのキーがずらりと並ぶ光景は、近年あまり見たことがない。わが大阪本社のある難波は関西国際空港へのゲートシティーで、これまでインバウンド景…

  •  とある会社の、とある職場。顔を出すなり大きな咳(せき)を、あたりをはばからず口を覆うでもなく、しきりとする人間がいたそうな。ところが新型肺炎が騒がれて以降、ぴたりとやんだそうな。単なる悪癖だったらし…

  •  「調子に乗る」とはいい気になって軽率な言動をすることで、軽々しく調子に乗る人のことは「お調子者」という。国会質疑などを伝えた4日付の新聞各紙のコピーに、「すばらしい!」「くず0点」などと論評を書き添…

  •  大阪府の南部に位置する泉南地域は、タマネギとタオルで有名だった。いずれも歴史は明治時代に始まり、昭和の高度成長期にかけて日本の一大産地に。だが、タマネギは各地で栽培されるようになり、タオルは安価な輸…

  •  少し前のこと、女子高生が「いや~、鬼ヤバイわ、それ」と話していて、ついニンマリした。すごくヤバイ(とても都合が悪い)という意味だろうと想像できたからだ。はやりの若者言葉かというと、あながちそうともい…

  •  「天災というものは、事実、ざらにあることであるが、しかし、そいつがこっちの頭上に降りかかってきたときは、容易に天災とは信じられない」。伝染病に襲われた町を描いたフランスの作家、カミュの「ペスト」から…

  •  「遠山・葛西スペシャル」をご存じだろうか。阪神ファンには覚えておいてほしい言葉の一つである。野村克也監督が発案した継投策のこと。左投げの遠山奨志投手が左打者を仕留めた後に一塁手となり、右打者を右下手…

  •  寒がりゆえについ習慣的にコートとマフラーを持って出て、「しまった」と思う朝が続いている。普通なら冷え込む2月を前に28日、大阪市では最高気温が19度を超え1月としての記録を104年ぶりに更新した。ま…

  •  「町に行き、あちこちで宣伝している大売り出しの店に入ってください」。1931年、不況と物価下落に苦しむ英国民に経済学者、ケインズはラジオで訴えた(ケインズ説得論集)。モノが売れれば、生産活動が刺激さ…

  •  数字づくめの歴史的優勝だった。大相撲初場所で史上2度目の幕尻優勝した西前頭17枚目(幕内最下位=幕尻)の徳勝龍は33歳5カ月。日本出身力士では最年長初優勝である。1年前に引退した横綱稀勢の里と同い年…

  •  松田瑞生(みずき)選手が優勝した昨日の大阪国際女子マラソンでは寒い中、沿道で応援をしてくださる皆さんに感謝しつつ、マスク姿の人が多かったことに気が付いた。中国の正月「春節」で観光客が増えるなか、新型…

  •  阪神大震災下、「心のケア」の先駆けとして活躍した精神科医を描いて18日から始まったNHK土曜ドラマ「心の傷を癒(いや)すということ」への評価がすごい。ツイッターには絶賛の声があふれている。朝日新聞は…

  •  26日に行われる「第39回大阪国際女子マラソン」の発着点、ヤンマースタジアム長居の周囲を散策していると、手形が刻まれたモニュメントを見つけた。聖火台をイメージした形状。2007年に開催された陸上の世…

  •  サービスの充実は労働時間を増やし、忙しくなった人たちはよりきめ細かなサービスを求めるようになる、すると労働時間が増え…。コンビニエンスストアやファミリーレストランの24時間営業、商品の即日配送などは…

  •  今日は大寒。二十四節気の小寒(今年は1月6日)から大寒までを「寒の内」というが、ご近所の朝のあいさつにも「寒いですね」とは聞かない冬である。百貨店では早くも春物ファッションが並び始めた

  •  25年となった阪神大震災の発生の日から1日がたった。その日が過ぎても忘れるまい。ご遺族の日々はずっと続いてきた。いまも悲しみはよみがえるだろう。たとえ第三者であっても無関心であってはならない。傷つい…

  •  映画「男はつらいよ」の寅さんで知られる渥美清さんが亡くなったのは、平成8年8月。生前最後のシリーズが、48作目の『男はつらいよ 寅次郎紅の花』だった。7年12月に公開された作品の中で、寅さんは阪神大…

  •  インバウンド(訪日外国人客)の功罪にはさまざまな意見があるが、今週末、大阪・日本橋にオープンする新ホテルは「功」の方だろう。アールデコ調のレトロな外観で知られる「高島屋東別館」(旧松坂屋大阪店、国の…

  •  関関同立、産近甲龍、GMARCH、日東駒専、大東亜帝国…。偏差値レベルでくくった私立大学群の略称だ。大学名をすべて諳(そらん)じられる人も多いだろう。便利だが、大学側にすれば歯がゆいものであるらしい…

  •  30年も前のこと。某国で行われていたスポーツの大会の取材で、イランの若い記者と知り合った。最初に目が合ったとき向こうからほほえみかけてきた。男前だったが頬に横長の目立つ傷があった。イラクとの戦争で受…

  •  「観光」の語源は中国の古典『易経』にある。「観」の卦(け)の爻辞(こうじ)「国の光を観(み)る。用(も)って王に賓(ひん)せさるるに利(よろ)し」が出展元。諸説あるが、哲学者、竹内照夫さんの『四書五…

  •  一代で財産も名誉も築き上げた人物が陰謀によって地位を追われ、投獄されたもののみごと逃亡に成功し逆襲に打って出る。ハリウッド映画にありそうな筋書きだが、「主役」を張るには当然ながら清廉潔白でなければな…

  •  ポチ袋は「少ないですがお祝いです」という気持ちを表すもので、「これっぽっち」が語源との説がある。もともとは年若い舞妓(まいこ)さんたちへの祝儀袋だったらしいが、今では子供へのお年玉袋としての方が通り…

  •  令和2年の仕事始めは4日だったろうか、今日の6日だろうか。もちろん元日という人もいただろう。それでも、心なしか今年の正月がゆったりしていた気がするのは、流通や外食業界で元日休業の試みが広がってきたか…

  •  新年を迎えると、中桐雅夫の詩を思い出す。「新年は、死んだ人をしのぶためにある、/心の優しいものが先に死ぬのはなぜか、/おのれだけが生き残っているのはなぜかと問うためだ」(「きのうはあすに」)。

  •  伸びたソバも、短編の名手、永井龍男の手にかかるといかにもうまそうな一品となる。「天ぷら蕎麦(そば)はぬるくなっていたが、つゆを吸い込み、のびの来た柔らかな舌ざわりは、そんな時間外れの酒の肴(さかな)…

  •  五輪やパラリンピックで活躍したトップアスリートの経験を、社会に還元しようと設立されたアスリートネットワークの柳本晶一理事長によると、1964年東京五輪のレガシー(遺産)のひとつが、学校のクラブ活動な…

  •  「渋滞もないし、東京に比べたらストレスがない。逆に東京の方が不便ですよ」。劇作家の平田オリザさんが連載中の夕刊インタビュー(大阪版)でそう話していた。東京から兵庫県豊岡市に移住し、演劇のまちづくりに…

  •  先端を行く企業研究者たちにとって特許情報や学術雑誌をチェックすることは、とても大事だが気の重い作業だという。ライバルに先を越されていることが分かれば、その瞬間、自分の研究が無意味になってしまうことも…

  •  「今年のクリスマスイブとクリスマスの過ごし方は?」と聞かれて圧倒的に多いのは「平日だから仕事だよ」だろう。去年は天皇誕生日だった23日が日曜日で24日のイブは振り替え休日だった。おととしは23日が土…

  •  年末は何かとあわただしい。休みを取る分、ふだんの仕事が増える。どこの職場でも家庭でも似たようなものだろう。今年は例年に増して、年内に仕事を片付けようという思いが強い。映画「男はつらいよ」の新作「お帰…

  •  東京五輪の聖火リレーで、国内最初のランナーを2011年のサッカー女子ワールドカップ(W杯)で優勝した「なでしこジャパン」のメンバーが務めることが発表された。東日本大震災の被災地に勇気と元気を届けた「…

  •  もし自分の子供が受験生だったら-。そんな当事者意識を持つ人はいなかったのだろうか。文部科学省が来年度からの大学入学共通テストで、入試改革の“目玉”だった国語と数学の記述式問題の導入を見送った。聞けば…

  •  年末の仕事を片付けたら温泉でゆっくりと-。そんな夢想をしていると、じゃらんリサーチセンターが「人気温泉地ランキング」を発表した。箱根温泉が14年連続で全国1位。関西では、神戸・六甲山の有馬温泉が昨年…

  •  「法隆寺は私の学校です」。薬師寺金堂の再建などを手がけた宮大工の西岡常一さんは、よくそう話していたそうだ。塔や金堂のような深い軒は中国にはなく「大陸からの技術を鵜呑みにせんと、雨が多く、湿気の多い日…

  •  狐(きつね)が若い女に化ける。しかし男に見られていた。いたずら心を起こした男に料理屋に誘われ、酔って寝てしまう。男はさんざん飲み食いし、代金は女に。目覚めた女は驚いて尻尾を出してしまい、店の者にとっ…

  •  長くつらい戦いだったに違いない。卓球女子シングルスの東京五輪出場権を懸けた石川佳純(かすみ)選手と平野美宇(みう)選手の一騎打ちは、石川選手に軍配が上がった。既に代表の座を確実にしている伊藤美誠(み…

  •  「公平・中立・簡素」が税制の大原則だ。しかし、理想にとどまっていて、うっかり何かを申請し忘れると、余分に税金を払って公平性の埒外(らちがい)に置かれてしまうこともある

  •  「暗いと不平を言うよりも、あなたが進んで明かりをつけなさい」。カトリック教会だったかマザー・テレサの言葉だったか。信仰心とはほど遠い人間でも、時折耳にしたこの言葉は心に残っている。たしかそんな運動も…

  •  作家の北杜夫(もりお)は若いころ、儀礼めいていて嫌いだからと年賀状を出さずにいたそうである。しかし正月に賀状は届く。昔の先生からも来る。返事を書かないとまずいが、先生からもらった後に出すのは失礼だ。…

  •  世界陸連のセバスチャン・コー会長は現役時代、中距離種目の名選手だった。同じ英国出身のスティーブ・オベット選手との激しいライバル関係は有名で、1980年のモスクワ五輪では、オベット選手が800メートル…

  •  半年なんぞあっという間だなあとため息が出た。もう再オープンとは-。大阪・キタの地下街「ホワイティうめだ」の改修工事が終わり、待ち合わせ場所で知られる「泉の広場」に新たなモニュメントが登場した。樹木と…

  •  「最低でも県外」。平成21年、鳩山由紀夫・民主党代表(当時)が沖縄県の米軍普天間飛行場移設を表明したとき、電力業界関係者は苦笑した。「あんな言い方、あり得ない」。原発の運営で立地地域の理解を得てきた…

  •  やはり「和」ではないか。師走の恒例、今年の漢字である。ベタ過ぎるかもしれないが、令和元年だ。きっと「令」も「和」も上位に入るはず…と思っていたら、親御さんにはどちらも不人気だったそうだ。明治安田生命…

  •  かの国の古典にこうあるではないか。「政(せい)を為(なす)すに徳を以(もっ)てすれば、譬(たと)えば北辰(ほくしん)の其(そ)の所に居て、衆星(しゅうせい)のこれに共(きょう)するがごとし」。政治を…

  •  東京五輪・パラリンピックからロシアが除外される可能性が高まっている。ロシア反ドーピング機関から回収された検査データに、大量の改竄(かいざん)が認められたためだ。国ぐるみの不正が発覚し、2016年リオ…

  •  十数年前のこと、京都市の京都大学総合博物館で修復を終えた「マリア十五玄義図(じゅうごげんぎず)」(重文)を見たことがある。大阪府茨木市北部の“隠れキリシタンの里”から発見されたものだった。民家の屋根…

  •  もはや経済面の小さな記事にしかならなかった。パナソニックが令和3年をめどに液晶パネル生産から撤退を発表したことである。生産を担う兵庫県姫路市の工場は、建設方針が明らかになったときには小紙はじめ1面で…

  •  もう7年も、というのが感想である。安倍晋三首相が平成24年12月の衆院総選挙で首相に返り咲き、第2次安倍内閣を組閣してからである。第1次と合わせると歴代1位の長期政権だ。従来の1位は実質的に元老たち…

  •  狩りについていくことを許された男の子は、とびだしてきた獲物の姿に大声をあげる。とたんに大人から叱られる。「獲物が逃げてしまうではないか」と。その子は瞬間にして学ぶ。叱ったのは親ではない。誰かそこらの…

  •  シャレが効いていると思った。再来年に開かれる生涯スポーツの祭典「ワールドマスターズゲームズ2021関西」で計画されている「生花リレー」のことである。19日に大阪市内のホテルで行われた決起大会で、組織…

  •  百貨店で歳暮商戦が始まったというニュースは、いわばこの時期の風物詩の一つだが、最近は歳暮離れが進んでいるという。きっかけはバブル崩壊で、以降、法人需要が減ったのは確かだろう。でも、それだけではないよ…

  •  世界的にヒットしている新海誠監督のアニメ映画「天気の子」は、祈ると空を晴れにできる少女と家出少年の物語だ。母の死後、小学生の弟と暮らす少女と少年が事件に巻き込まれて…。未成年が社会で生きる危うさも描…

  •  お供え物も有効活用されると聞いて少しホッとした。「大嘗祭(だいじょうさい)」で全国から届けられた農産物や海産物の「庭積(にわづみの)の机代物(つくえしろもの)」である。食品ロスが社会問題化する中で、…

  •  ある冬の夜、評論家の小林秀雄が大阪・道頓堀を「うろついていた」とき。「突然、このト短調シンフォニイの有名なテエマが頭の中で鳴ったのである」。鳴ったのはモーツァルトの交響曲だった。評論「モオツァルト」…

  •  ホメロスの叙事詩「イリアス」に書かれた伝説の都市、トロイアを発見したことで知られるハインリヒ・シュリーマンは、発掘6年前の1865年に世界を漫遊した。幕末の日本にも立ち寄り、江戸の街を観光した様子が…

  •  「たとえ1円でも犯罪や!」という人もいれば、「そんなめくじらを立てんでも…」という人もいる。最近、話題の“イートイン脱税”だ。軽減税率をめぐり、コンビニやカフェなどのレジで「テークアウト」と告げて8…

  •  とにかく突然だった。平成26年、クボタ会長兼社長だった益本康男氏が出張先の東京で致死性不整脈のため急逝した。まだ67歳のカリスマは会社を成長路線に乗せたところだった。現場を回り、「若い人が失敗しても…

  •  哲学者、ショーペンハウアーの読書についての警句は辛辣(しんらつ)である。書物を買うのは結構なことだという。続けて、「ついでにそれを読む時間も、買いもとめることができればである」。なるほど、買ったまま…

  •  英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授らが2013年に発表した「雇用の未来」という論文がある。人工知能(AI)などのコンピューター技術の進化によって、どんな職種が影響を受けるかをまと…

  •  神話で高天原から遣わされた武神、建御雷神(たけみかづちのかみ)が地上世界を統治していた大国主命(おほくにぬしのみこと)と国譲りの交渉した稲佐の浜(島根県出雲市)は、否(NO)か然り(YES)を迫った…

  •  あす3日は文化の日。イベントや美術館、博物館など、いろんな機会を生かして文化に触れ合ってみるのもいい。昭和23年に祝日法ができてから、すっかり国民の間に定着した。武骨な小欄も、なにがしか武骨ならぬ香…

  •  酷暑のマラソンで思い出すのは、1984年ロサンゼルス五輪でのガブリエラ・アンデルセン選手だ。ふらふらになりながらも、体を傾かせ、ゴールに向かって懸命に歩く姿を覚えている人も多いだろう。女子マラソンが…

  •  直木賞作家の穂積驚(みはる)が昭和14年に発表した小説「學生俥夫(がくせいしゃふ)」は、人力車を引きながら大学を目指す苦学生の物語だ。主人公は「仕送りで安閑として、勉学に專心できる幸福な人達とは、分…

  •  古代中国の兵法家、孫子は「算多きは勝つ」と説いた。勝算が多ければ勝ち、少なければ負けるという意味。パ・リーグ2位から巻き返し、3年連続日本一に輝いたソフトバンクにも、当てはまる気がする。日本シリーズ…

  •  「とにかく考えてみること、くふうしてみること、そしてやってみること。失敗すればやりなおせばいい」とは経営の神様、松下幸之助の言葉である(『道をひらく』「くふうする生活」から)。先例を破る新しい方法を…

  •  〈柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺〉。俳人、正岡子規が明治28年10月末、生涯最後の旅で訪れた奈良で詠んだ句はあまりに有名だ。随筆で柿をむいてくれた少女を「梅の精」とほれぼれと見とれ、食べていると東大寺の…

  •  数年来、画家・安野光雅さんの「洛中洛外カレンダー」を愛用しているが、今年の10月22日は黒字のままだ。去年の夏頃にはまだ祝日と決まっていなかったからで、それではと、自分でこの日に赤い丸を付けておいた…

  •  いまはむかし、と平安後期とされる説話集「今昔(こんじゃく)物語集」は伝える。大きな川があった。「雨降(ふり)て水出(いず)る時には、量(はか)り無く出る河也(なり)」。沿岸住民は家の天井を頑丈に造り…

  •  開幕まで1年を切った今ごろになって東京五輪のマラソンと競歩の開催地が札幌に変更になるという。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は「より涼しく選手の健康を守れる」と理由を説明した。選手を東京…

  •  切っても涙の出ないタマネギを作ったのはハウス食品だ。レトルトカレーの製造工程中、タマネギとニンニクをまぜて炒めると緑色に変色することがあり、その理由の解明を目指したのが研究の始まりという。その過程で…

  •  「二百十日は無事だろうと、新聞に出ていたが、二百十日の前夜、颱風(たいふう)が来た」。川端康成の「山の音」から。二百十日とは立春から数えて210日目に当たる日。9月1日ごろが相当する。台風襲来の時期…

  •  ラグビーのワールドカップ(W杯)で、快進撃を続ける日本代表。リーチ・マイケル主将が「感動した」と言及したのは、アイルランド戦前日に行われたバレーボール女子W杯の日本-セルビアだった。世界ランキング1…

  •  「大阪では昔から優秀な子はまず商売人か学者にさせるもんや」。ずいぶん前になるが、帝塚山学院大学学長を務め、「大阪学」を提唱した大谷晃一先生からそんな話を聞いたことがあった。ノーベル化学賞に大阪府吹田…

  •  開けるなと言われた箱を好奇心から開けた途端、この世にありとあらゆる災厄が飛び出した…。ギリシャ神話の最高神ゼウスが人類最初の女性であるパンドラに持たせた箱の物語だ。

  •  〈文開く衣の袖はぬれにけり海より深き君が美心(まごころ)〉 誰が詠んだ歌かご存じだろうか。「君」を恋しい人と読めば情熱的な恋歌だろうし、君主とか主君とかと受けとれば主人の徳に触れて感動した忠義の歌で…

  •  できの悪い時代劇を見せられているような週だった。菓子の下から金貨とは。小判形の金もあった。関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役や工事業者から金品を受け取っていた問題の、まああきれたこと。後日、返却…

  •  空前のラグビーブームが訪れている。きっかけは、ワールドカップ(W杯)での日本代表の活躍。関係者は浮かれることなく、一過性に終わらせないための方策を、今のうちからしっかりと練ってほしい

  •  1位は野球の大谷翔平選手、2位はフィギュアスケートの羽生結弦選手といずれも2年連続で、3位はテニスの大坂なおみ選手だった。大手玩具メーカー、バンダイが調べた小中学生の好きなスポーツ選手である。今年は…

  •  神戸の玄関口・三宮にあるそごう神戸店が9月30日に営業を終え、昭和8年の開店から86年の歴史に幕を下ろした。セレモニーなどのない淡々とした閉店だったが、市民らが多く詰めかけ「ありがとう」と書いたカー…

  •  いよいよ、明日から消費税が上がる。やっと出掛けた定期券売り場は長蛇の列で、早めに買っておくんだったと後悔した。外食は10%、テークアウトなら8%、キャッシュレス決済のポイントは受けられれば5%還元だ…

  •  辛口で知られたコラムニスト、山本夏彦は税金について達観していたようである。「税務署は税金はとられるものではない、納めるものだというが、私はあれはくれてやるものだと思っている。くれてやって、すぐ忘れる…

  •  怒られるかもしれないが、日本にこれだけのラグビーファンがいるとは、思ってもいなかった。ワールドカップ(W杯)の盛況ぶりに、驚いている。と同時に、大会前にインタビューした元日本代表、大畑大介さんへの質…

  •  秋分の日を中日に前後の3日を合わせた1週間を秋彼岸といい、26日はその最終日、彼岸明けである。暑さ寒さも彼岸までというけれど、すっかり朝晩は過ごしやすくなった。そんな四季がはっきりしているのが日本の…

  •  私事で恐縮だが、島根県から「遣島使」を委嘱された。唐への使者として活躍した遣唐使をもじったふるさと親善大使だ。島根県は初任地として5年ほど取材し、妻とも出会ったいわば第二の故郷。離任後に1度委嘱され…

  •  サンマが不漁だという。たまにスーパーをのぞいてみても、魚体は細く値段が高い。この時期に味わいたい季節の味覚ではある。けれどもつい手を出しそびれてしまう。業界を支えるためにも、いずれは食卓に登場しても…

  •  壇上の平尾誠二さんは、少しやつれているように見えた。平成28年1月、関西大学と産経新聞が主催したスポーツフォーラムにパネリストとして参加してもらったときのことだ。今から思えば、辛い闘病生活を送られて…

  •  よかった、あのレトロなエレベーターホールやシャンデリアの雰囲気は残っているらしい。長らく建て替え中だった大丸心斎橋店の本館が明日20日、全面オープンする。新旧の美を兼ね備えた新店舗というから楽しみだ

  •  『源氏物語』の作者、紫式部が「物語の出(い)で来(き)はじめの祖(おや)」と評したのが『竹取物語』だ。日本最古の物語文学といわれるが、月の住人だったかぐや姫が月に帰るストーリーで、いわば宇宙が舞台の…

  •  電線の地下化を進めている東京都が、電柱のない風景をテーマにした俳句コンテストを行っている。昨年度の小中学生の部の入賞作品を見るとなかなか味がある。たとえば「電柱のないまちなみは大夕焼」(芳澤羽音さん…

  •  「虎の穴」。意味を知っているか、アルバイトの大学生に尋ねてみた。「うっすらとですね」。そんな答えがかえってきた。アニメ作品『タイガーマスク』に出てくる悪役レスラーの養成機関で…。12日の夕刊1面にあ…

  •  中国の電子商取引(EC)最大手アリババグループの創業者、馬雲(ジャック・マー)氏が10日、経営トップの会長職から退いた。電子決済「支付宝(アリペイ)」のサービスを手掛け、中国を世界有数のキャッシュレ…

  •  いつも不思議に思うのだが、きょう9月9日の「重陽(ちょうよう)の節句」はあまり知られない。3月と5月は子供にかかわる節句、7月は恋愛にまつわる話だから現代にも残りやすかったのかもしれない…とは素人考…

  •  ロシアにこんなジョークがあるという。「さて、ニュースが二つある」「いいニュースから始めてくれ」「誰が、いいニュースがあるっていったんだ?」(菅野沙織「ジョークで読むロシア」)。かの国の国情を表してい…

  •  サッチェル・ペイジ。知っている人は、かなりの米大リーグ通だ。注目すべきは経歴にある。黒人リーグで活躍し、人種差別制度が廃止されて大リーグ入りしたのは42歳のとき。59歳でメジャーリーグのマウンドに上…

  •  「電車のイメージを一変させるものを」-。大阪・難波と関西国際空港を結ぶ南海電気鉄道の特急「ラピート」は、こうした意気込みで開発された。「鉄人28号」などの異名を持つ外観は、国際空港の開港に合わせた社…

  •  はっきり言ってこのご時世、当然の結果だったかもしれない。たった3人の採用枠に全国から1800人を超える応募が殺到した。30代半ばから40代半ばのいわゆる「就職氷河期世代」を対象に、兵庫県宝塚市が行っ…

  •  未読だが、「反日種族主義」という本が韓国でベストセラーになっているという。韓国の反日の危うさを批判したもの。雑誌「正論」10月号によると、いわゆる徴用工問題や慰安婦問題にみられる韓国の歴史観を「ウソ…

  •  幕末の思想家、吉田松陰は多くの名言を残した。中でも、松下村塾の門下生、高杉晋作の「男子の死すべきところは」との問いに答えた「死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし。生きて大業の見込みあらばいつでも…

  •  大阪市浪速区にあった豪商・鴻池別宅を買った際、庭で飼っていた鶴も引き継いだそうだ。北前船で財を成した船主・大家(おおいえ)家の富裕な暮らしを紹介する企画展「大大阪時代に咲いたレトロモダンな着物たち」…

  •  人工知能(AI)を備えたロボット兵器の規制をめぐる国連公式専門家会議がスイス・ジュネーブで開かれ、運用には国際人道法を順守することなどを盛り込んだ報告書がまとまった。ただ、法的拘束力を持つ条約などに…

  •  残暑厳しい中、秋が近づいていることを実感させる車内広告を見た。大阪メトロ(地下鉄)とシティバスが出している運賃改定のお知らせである。「10月1日より実施される消費税率引き上げに伴い、運賃の改定を認可…

  •  社員35人が亡くなったアニメ制作会社「京都アニメーション」の放火事件で、現場近くに設けられていた献花台が昨日で終了した。事件発生から1カ月の節目が過ぎたためという会社側の意向だ。近隣住民にもショック…

  •  北朝鮮の元駐英公使で韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)氏「三階書記室の暗号 北朝鮮外交秘録」を遅まきながら読んだ。すごい本である。「~は南北会談を利用して、アメリカの圧力を緩和させる戦術をとった。孤…

  •  第101回全国高校野球選手権大会で初優勝した履正社は、大阪府豊中市の学校である。大正11年創立の私立校。7年前に、豊中グラウンドで大会の前身の第1回全国中等学校優勝野球大会が産声をあげた。テレビのニ…

  •  「八月の最後の週末に地蔵盆がなければ、ほかの地方の小学生たちは、夏休みがもうすぐ終わってしまう憂(う)さをいったいどうやって晴らすんだろう」。京都出身の芥川賞作家、綿矢りささんが、短編「トイレの懺悔…

  •  お盆休みの帰省の新幹線はいつもなら退屈なものだが、今年は和辻哲郎の「古寺巡礼」(岩波文庫)を読みながら過ごしたことで、しばし時間を忘れた。本との出合いは、本紙夕刊1面で読者の本にまつわるエッセーを掲…

  •  高校時代、将棋や囲碁を学ぶ棋道部にいて、先輩に囲碁に力を入れろとアドバイスされた。将棋は王将を取られるので負けると屈辱的だが、囲碁は何目か負けた程度の勝ち負けなので、それほど悔しくないという理由だ。…

  •  お盆休みが明けて朝の通勤電車にいつもの混雑が戻ってきた。台風で当初予定を変更した人も少なからずいたようだが、見方を変えればそれもまた思い出の一つ。子供にとってはむしろ、ハプニングが日記の貴重なエピソ…

  •  慰安婦を象徴する少女像などを展示して企画展が中止になった「あいちトリエンナーレ2019」問題が尾を引いている。ドイツでは観光名所に像が展示された。韓国系団体が企画したという。この問題を機に、海外でま…

  •  お盆休みの日本列島を台風10号が襲った。JR西日本などは前日のうちに計画運休を発表したが、Uターンラッシュと重なり、交通機関の乱れが多くの帰省客を直撃した。近畿地方でも周辺の雨雲の影響で大雨が続き、…

  •  「胸のところにねェ、氏名と生年月日を書いた布が縫いつけてあったそうです。名前を訊かれても『マコちゃん』としか言えんそうやったから」(『骸骨ビルの庭』から)。戦争を知らない世代ゆえ、戦争孤児のなんたる…

  •  明治7年、大阪-神戸間の官設鉄道の大阪駅が造られた梅田は大阪の外れだった。中心部の堂島付近に造る予定だったが、住民から「汽車は火を吐くので火事になる」と猛反対され、変更した。一帯は低湿地を埋めて田ん…

  •  暑い、暑い。こんなときの定番は怪談か。「1ま~い、2ま~い」。井戸から女性の声が聞こえてくる。管理していた10枚ぞろいの宝物の皿が1枚足らない。責められ井戸に落とされて最期を迎えた。ご存じ皿屋敷。い…