浪速風浪速風 記事一覧会員向け記事

  •  「相客(あいきゃく)に心せよ」。茶の湯において同席者が互いに尊重し、気遣いする大切さを説いたのは茶祖、千利休の利休七則だ。これらの心得は、弟子から「茶の湯とは」と聞かれたときの答えとされる。弟子が「…

  •  代々、神社を守る神職や家を社家(しゃけ)という。出雲大社など有名社家50社でつくる永職会が落語家、桂文枝さんに依頼した創作落語「はじまりは高天原(たかまがはら)~須佐之男命(すさのおのみこと)と草薙…

  •  梅雨が好きなわけではないが、なんとなく落ち着かない。6月も残すところあと1週間というのに、まだ近畿地方など一部の地域が梅雨入りしないのだ。異変が起きていると21日の夕刊にあった。平年は7日あたりとい…

  •  ある者が孔子さまにいった。村に正直者がいて、父親が羊をごまかしたとき息子がそれを知らせた、と。自分の村の正直者は違う、と孔子さま。「父は子の為(た)めに隠し、子は父の為めに隠す。直(なお)きこと(正…

  •  高校時代にスペインに渡った少年が試練を経て成長し、日の丸を背負って五輪で活躍する。平成16年に亡くなった野沢尚(ひさし)さんは小説「龍時(リュウジ)」シリーズで、世界の壁に立ち向かうサッカー選手の姿…

  •  公開中の映画「空母いぶき」(若松節朗監督)を見た。武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使し、それも自衛のための必要最小限にとどめる専守防衛の難しさを描いた戦闘シーンに、空手道を日本に広めた船越義珍…

  •  12年前の悪夢に与党が浮足立っている。消えた年金問題が尾を引き、参院選で惨敗し、第1次安倍政権が退陣したのが12年前。30年間、年金暮らしをすると、2000万円足りないとした金融庁の報告書が、その時…

  •  まんじりともせず夜を明かした人も多かったのではないか。大阪府吹田市の交番で巡査が刺され拳銃が奪われた強盗殺人未遂事件は、一夜明けて男が逮捕された。近隣住民はひとまずほっと胸をなでおろしただろう。府内…

  •  シェークスピア劇のハムレットは狂気を装って父の復讐(ふくしゅう)を果たそうとする。愛するオフィーリアには手紙で真情をつづっていたのだが。「ただ一言、愛する。誰よりも、何よりも」(福田恆存=つねあり=…

  •  英国のパブリックスクールでフットボールをしていると、一人の少年がボールを抱えて走り出した。テレビのスポーツニュースでも取り上げられていたが、ラグビーの起源に関する最も有名な話だ。少年の名前はエリス。…

  •  6日亡くなった作家、田辺聖子さんを取材したことがある。20年ほど前、兵庫県伊丹市の自宅で阪神大震災の被災体験を聞いたのだ。知事の災害派遣要請などの手続きの問題で自衛隊の初動が遅れたことを憂えた言葉が…

  •  最近、取材相手からもらった名刺に肩書がないことが多い。部署名と名前だけが書いてあり、役職者ではないのだが、その仕事分野に極めて詳しい。説明にもそつがなく、人当たりもいい。彼らは例外なく、役職定年者か…

  •  一度引退して復帰したといえば、最近ではテニスの伊達公子さんだろうか。フィギュアスケートの高橋大輔選手も記憶に新しい。テレビで見る限りだが、2度目の現役生活は経験を積んだ分、心のゆとりが感じられた。楽…

  •  古代ギリシャのテミストクレスといえばペルシャ艦隊を破った軍人、政治家だが、あくの強い人間でもあったらしい。ヘロドトス「歴史」によると賄賂を使い私腹も肥やした。危険な人物を市民が陶片に書いて投票する、…

  •  打席に入る前にヘルメットを脱ぎ、おじぎした。こみ上げたのは「ここからまた、新しい野球人生がスタートする」との思い。4日の復帰初打席で適時二塁打を放った阪神の原口文仁捕手は、笑顔でファンの歓声に応えた

  •  茶道や華道、舞踊など稽古事をたしなむ人に聞くと6歳で始めた人が多い。それも6月6日から。習い事を始めるのによい日とされるからだ。聞いた話では、世阿弥の『風姿花伝』に数え7歳で稽古を始めるのがよいとあ…

  •  30年前、天安門事件前後の戒厳令下の騒然とした中国・北京で、松下電器産業(現パナソニック)は「●(=登におおざと)小平さんと創業者との約束事だ」とブラウン管工場の操業を続けた。創業者の松下幸之助氏が…

  •  若い女を表現する能面・小面(こおもて)に「雪月花(せつげつか)」という名品がある。「天下三面」とも呼ばれ、豊臣秀吉が、面打ち名人・石川龍右衛門が献上した3面に命名し、雪は自らの能の師、金春(こんばる…

  •  ここ数年、最寄り駅の看板の上に巣を作るツバメ夫婦と顔なじみになっている。朝はたいてい巣におらずエサを求めて飛び回っているのだが、このところ1羽がずっと巣にとどまるようになった。まもなくヒナの黄色い口…

  •  ある詩人によると、愚かな風が米国の国会議事堂に吹いてくるのだそうである(ボブ・ディラン「愚かな風」)。口を開くたびにばかな風が吹く、と詩人に歌われると、北方領土で不謹慎極まりない暴言を吐いた議員を思…

  •  阪神時代の野村克也監督は、部下の操縦法を「無視・称賛・非難」と表現していた。そのココロは、ダメな部下は放っておき、自然と成長するのを待つ。そこそこの部下は長所をほめて育てる。できる部下はあえて弱点を…

  •  スーパーにマイバッグを持参する人が増えた。コンビニでは「袋いりません」という声もよく聞く。それでも現状はまだまだのようだ。昨日の夕刊によると「奈良の鹿愛護会」が衰弱して死んだシカを調べたら、胃から大…

  •  またも子供が犠牲になってしまった。川崎市多摩区でスクールバスを待っていた小学生の列を刃物男が襲い、女子児童ら2人が死亡した事件は、弁護士の後藤啓二さんに「あの事件」をいやがおうにも思い起こさせた。平…

  •  来日中のトランプ米大統領より、こっちが気になる。昨日告示された堺市長選だ。「維新VS.反維新」の構図に注目が集まるが、市長を選ぶ以上、市民の目で政策や人柄をじっくり吟味してほしい。堺は歴史ある町だ。…

  •  「イソップ寓話(ぐうわ)集」より。“羽”のあるものを敵視するイタチに捕まったコウモリが、自分はネズミだといって難を逃れる。今度はネズミを敵とする別のイタチに捕まり、自分はコウモリだ、と。寓話はいう。…

  •  平成29年の新語・流行語大賞トップテンに選ばれた「◯◯ファースト」は、「◯◯が一番」「◯◯を優先する」の意味で使われている。はしりとなったトランプ大統領の「アメリカファースト」や日本の政党、政治団体…

  •  当然といえば当然の結果だろう。今春の東京医科大の入試結果が公表されたが、医学部医学科の受験生に占める合格者の割合は男子19・8%、女子20・2%でほぼ同じだった。去年は男子の合格率が女子の3倍超だっ…

  •  昭和15年の帝国議会で、衆議院議員の斎藤隆夫は長期化する日中戦争の処理をただし「ただいたずらに聖戦の美名に隠れて、国民的犠牲を閑却し…」と批判した。有名な反軍演説である。斎藤は軍部の猛反発を受け議会…

  •  もう平成の出来事ということになるが、4月の統一地方選では2人の91歳の市議が生まれた。佐賀県鹿島市の高松昭三氏と静岡県熱海市の山田治雄氏だ。高松氏は老人クラブ会長から市議選に初挑戦した。「自分を年寄…

  •  約643万トンの食品と聞いても想像がつかない。平成28年度に発生した「食品ロス」だ。節分で売れ残った「恵方巻き」の大量廃棄が問題になったが、コンビニ最大手のセブン-イレブン・ジャパンがようやく腰を上…

  •  今週の名(迷?)言。「ほかの文明を改造し、果ては取って代わろうとするやり方は愚か」「本来、各種文明に衝突はない」(習近平・中国国家主席、アジア文明対話大会で)。貿易戦争で構造改革を迫る米国への牽制(…

  •  「アーティスト」と呼ばれる野球選手がいる。阪神、西武で活躍した田淵幸一、南海やオリックスでプレーした門田博光…。美しい放物線を描く打球を軽々とスタンドまで運ぶホームランバッターのことだ。力任せにライ…

  •  運動と健康的な食事を心がけ、もちろんたばこは吸わない。認知症予防のために世界保健機関(WHO)が新たな指針を出した。各国が適切な対策を取らないと、世界の認知症患者が現在の推計5千万人から2050年に…

  •  仁徳天皇の皇后イハノヒメはやきもちやきだった。『古事記』は「言立(ことた)てば、足もあがかに嫉(ねた)みたまふ」と書き、妃の噂が立つと足をばたつかせて嫉妬し、宮中に入れなかったと伝える。その皇后の留…

  •  令和になって神社が人気を集めている。伊勢神宮は例年のGWの2倍の参拝者があったし、明治神宮では令和初日、御朱印を求める人が8時間待ちの列をつくった。7年前の古事記編纂(へんさん)1300年以来の神話…

  •  立夏も過ぎて暦の上では夏とはいうものの、暑い週末だった。それでも吹く風にさわやかさを感じるのは、湿度が低いせいだろう。風薫る5月、薫風とはよくいったものである。辞書には、初夏に新緑の間を吹いてくる快…

  •  反抗の年齢にある若者、ジムは不良のバズに目を付けられ、対決を強いられる。選ばれたのは車で度胸試しをする、いわゆるチキンレースだった。2人は崖に向かって猛スピードで車を走らせる。どちらが先におじけづく…

  •  大阪・キタの三大待ち合わせ場所といえば梅田「ビッグマン前」、JR大阪駅「時空の広場」、地下街「泉の広場」だろうか。その泉の広場のシンボルとして長く親しまれた噴水が撤去されることになり、工事が始まった…

  •  「端午の節句」に柏餅を食べた人も少なくないだろう。柏の木は新芽が育つまで、古い葉が落ちないことから「家系が絶えない」、すなわち子孫繁栄をもたらす縁起の良い食べ物とされる。

  •  令和の新時代が始まったが、世の中は10連休の真っ只中だ。働き方改革関連法の施行1カ月だけにしっかり休んでリフレッシュすることが大切だが、休みの過ごし方も考えたい。

  •  東日本大震災から3カ月後に被災地を訪ねた。小学校の体育館に「自衛隊のみなさん ありがとう」という張り紙があった。泥にまみれたアルバムなどが地区別に整理されて並べられていた。昼夜をおかぬ救助活動や復旧…

  •  改元が近づく。平成を懐かしむとともに、この国に生まれた幸いを思う。私たちの営みが皇室の歴史とともにはるかな昔につながっていることを感じるから。「やすみしし我(わ)が大君の食(を)す国は大和もここも同…

  •  産経新聞のカメラマンだった井上博道(はくどう)さんは、司馬遼太郎さんの連載企画を担当した。フリーになる際、東京に拠点を移すべきか相談した。「きみは何を撮りたいんだ。京都や奈良だろう。どこにいても、い…

  •  店にはすっかりご無沙汰だが、北新地のママさんから月に一度、四季を織り込んだすてきな詩をメールでいただく。今月のタイトルは「五風十雨(ごふうじゅうう)」だった。五日に一度風が吹き、十日に一度雨が降るの…

  •  暦通りに休めないという人もいるだろうが、もうすぐゴールデンウイーク(GW)。今年はかつてない10連休である。旅行やレジャーの予定を立て、春から初夏への季節の移り変わりもウキウキさせるが、ちょっと心配…

  •  堺出身の歌人、与謝野晶子が「堺の津 南蛮船の行き交へば 春秋いかに入りまじりけむ」と詠んだように、中世のこの町は南蛮貿易で栄えた国際港湾都市だった。戦国大名たちの勢力争いの緩衝地帯で、納屋(倉庫)業…

  •  休日の早朝、近くの公園を散歩していると、20人ほどの人だかりができて、聞き慣れた軽快なメロディーが流れていた。ラジオ体操である。誰かがラジオを持ち込んで始め、次第に人数が増えたという。途中からだった…

  •  だいじょうぶなんだろうか、ロシアは。ソ連時代の独裁者、スターリンへの肯定的な評価が世論調査で5割を超えた。数え切れない人間を粛清した人物に対して、である。経済が低迷する今のロシアへの不満が、かつての…

  •  英国に「3月の風と4月の雨が美しい5月をつくる」ということわざがある。同じ島国の日本にも当てはまりそうだ。今年は気温が低かったせいか、咲いた桜が長持ちしたが、いつの間にか新緑がまばゆい。和菓子店のシ…

  •  1988年のソウル五輪の陸上男子100メートルは、カール・ルイス(米国)とベン・ジョンソン(カナダ)の“世紀の対決”に世界の注目が集まった。決勝が現地時間午後零時半に設定されたのは、米国で夜のゴール…

  •  小欄で、政治資金規正法は規制法に変更すべきだ、と書いたことがある。辞書では、規正は「(不都合な点を)正しい方へ直すこと」で、規制は「予測される好ましくない事態に備えて、何かに制限を設けること」(新明…

  •  ゴルフの名言は人生の格言でもある。「人は敗れた試合から教訓を学び取る。勝った試合からは何も教えてもらえない」。こう語った「球聖」ボビー・ジョーンズが創設したゴルフの祭典マスターズで、タイガー・ウッズ…

  •  桜が散る。だからこの週末も、桜について書かせていただきたい。年を重ねて、花が咲くと、亡くなった人を思い出すことが多くなった。また咲いたよ、一緒に見たかったな。青空を背景に清楚(せいそ)に輝く花を見上…

  •  NHKの連続テレビ小説「なつぞら」の舞台は北海道・十勝である。戦災孤児の少女が酪農家に引き取られ、大自然の中でたくましく育つ。小欄の故郷で、地元は経済効果を期待して盛り上がっているらしい。農水省も酪…

  •  惜しまれて散る桜は美しいが、この桜は美しくもなければ、惜しくもない。桜田義孝五輪相が、東日本大震災の被災者を傷つける発言をしたとして辞任した。事実上の更迭である。口を開けば失言ばかりだったから、チャ…

  •  昨日に続いて北里柴三郎を。東京医学校(現東京大学医学部)在学中に書いた「医道論」で「昔の人は医は仁術とか大医(すぐれた医者)は国を治めるとかいいことをいう。ところが医者という地位について勉強せず、自…

  •  人類の歴史は病魔との闘いであった。とくに中世、ヨーロッパで大流行した黒死病(ペスト)などの伝染病、感染症は恐怖の的だった。そうした人類の敵にようやく勝利し始めたのは、19世紀末から20世紀初頭にかけ…

  •  「負けに不思議の負けなし」といわれるが、大阪ダブル選で反維新が敗れたのも不思議はない。敗因の一つは準備不足である。大阪維新の会の現職府知事、大阪市長が辞職して、入れ替わり出馬を示唆していたのに、ダブ…

  •  「万葉集」はだれもが引かれる歌集だろう。素直で伸びやかで、こんな国に生まれてよかったと思える歌が詰まっている。紙の本のほか電子書籍も手に入れていて、たまに見る。端末があればどこででも開くことができて…

  •  プロ野球で「世紀の失言」があった。平成元(1989)年の日本シリーズ。開幕から3連勝の近鉄の選手が、インタビューで「シーズンの方がよっぽどしんどかった。相手も強いし」と発言した。「(最下位の)ロッテ…

  •  花冷えが続いたが、週末はやっと花見日和になりそうだ。この時期、桜が目当ての訪日外国人客が多い。お花見は日本の文化であり、観光資源でもある。昨年は台風21号の高潮による関西国際空港の水没など災害が相次…

  •  選抜高校野球大会の決勝戦は、ブラスバンド対決も注目を集めた。習志野(千葉)の吹奏楽部は、全日本吹奏楽コンクールで何度も金賞に輝き、“美爆音”が話題である。東邦(愛知)はマーチングバンド部が米国遠征の…

  •  昨日、JR大阪駅前で号外を配りに出かけた同僚が興奮気味に帰ってきた。先に別の新聞社が配り始めると奪い合いになり、転倒する人も。危険という判断で配布を取りやめたという。小欄も日本人のノーベル賞受賞など…

  •  日本中が新元号でもちきりだが、今日は新年度のスタートで、多くの企業で入社式が行われた。新社会人に次の言葉を贈る。「まず健康でなければいけない」。かつて「新入社員諸君!」と呼びかけるサントリーの名物広…

  •  東京の桜は見頃だそうだが、大阪の弊社周辺ではまだちらほら。通勤電車の車窓から目で探っても花の気配は薄い。けれども週末になると、どこか見に行ける木はないのかな、などと気になる。日本人なのだから、これば…

  •  グループサウンズの全盛期、ザ・タイガースとザ・テンプターズが人気を二分した。ビートルズとローリング・ストーンズになぞらえられた。同級生の女子はジュリー(沢田研二さん)に熱をあげたが、ショーケンこと萩…

  •  朝刊掲載の「平成史」は、どのテーマも懐かしく、感慨深い。とくに28日付の「事件・事故」は、年表を見ながら、取材に走り回った日々を思い出した。平成の事件史で特筆すべきは、無差別・大量殺傷や凶悪な少年犯…

  •  「漂泊の俳人」種田山頭火には桜の句も多いが、この季節はよほど気分が高揚したのか、「日本の春だ、日本人の歓喜だ。過去をして過去を葬らしめよ、昨日は昨日、明日は明日、今日は今日の生命を呼吸せよ。小鳥のや…

  •  私事で恐縮だが、もうすぐ初孫ができる予定である。4月1日以前に誕生するか、2日以降になるか微妙だ。早生まれだと、その学年は全員が平成生まれだが、遅生まれでは平成はわずか1カ月で、大半は新元号というこ…

  •  覆面レスラーが多いメキシコのプロレス、ルチャリブレにはコントラ・マッチと呼ばれる試合形式がある。コントラとはスペイン語で「~対~」で、因縁の対決に決着をつけるため、敗者は覆面を剥ぎ取られた。日本でも…

  •  春風はさわやかな別れの香りを含む。同時に出会いの予感もはらんでいる。学校を巣立ち、仕事に就く人も多かろう。職場を変わり、あるいは去っていく人もいよう。巡ってきたまろやかな春の光は、懐かしい思いととも…

  •  日本における曹洞宗の開祖、道元の「正法眼蔵」に「花は愛惜(あいじゃく)に散る」とある。花は人に愛され惜しまれているうちに散るべきだという。イチロー選手が引退を表明した。「最低50歳まで現役」は「有言…

  •  これが見納めになってしまうのだろうか。米大リーグ・マリナーズのイチロー選手が今夜、アスレチックスとの開幕戦に出場する。45歳、メジャー19年目のシーズンである。衰えぬレーザービームを見せてくれたが、…

  •  今年からゴルフのルールが変わった。詳細は省くが、600年に及ぶ歴史を重ねて、複雑になりすぎた規則を簡素化し、プレーの時間を短縮するのが目的という。元々、ゴルフのルールは2つしかなかった。「自分に有利…

  •  兵庫県明石市長選で泉房穂前市長が3選された。国道拡幅に伴うビル立ち退き交渉をめぐり、担当職員に「火を付けて捕まってこい」などと暴言を浴びせて辞職した。批判より、市民は実績を評価したのだろう。圧勝だっ…

  •  はかま姿の和装の女性たちとすれ違う日が多かった。学校の卒業式なのだろう。早春の空気がよく似合っている。おめでとう、幸多かれ。晴れやかな表情を見るたびそう声をかけたくなった。男子学生についてももちろん…

  •  写真は記憶を刻みつける。「その時に全てをとらえ、何も逃がさないように。後からそれを取り戻そうとしても、もう遅すぎる」。写真集「決定的瞬間」で知られるアンリ・カルティエ=ブレッソンの言葉である。産経新…

  •  駆け出しの頃を思い出す。昭和51年8月4日深夜、当時の三木武夫首相宅に検事総長を名乗る電話があり、ロッキード事件に関して指揮権発動の言質を引き出そうとした。ニセ電話の主は何と京都地裁の判事補で、京都…

  •  「男はつらいよ」で寅さんを演じた渥美清さんは、旅先から毎日、お母さんにはがきを出したそうだ。文面は「俺、元気」、それだけ。一緒に旅行した永六輔さんがラジオで紹介した。あれこれ書こうとすると面倒になる…

  •  平成23(2011)年の統一地方選は、東日本大震災の影響で、岩手県知事選など被災地の選挙が2カ月から半年延期された。他の地域でも選挙どころではないというムードが広がり、出陣式を自粛したり、ガソリン不…

  •  うれしいのは会場が広いことだ。大阪市立美術館で開催中の「フェルメール展」。入場者ははや10万人を超えた。けれどもゆったりと空間を取ってこの画家の作品が展示されているので、人類の至宝といっていい絵を心…

  •  歴代のテレビ視聴率第4位は、昭和38(1963)年5月24日のザ・デストロイヤーと力道山のWWA世界選手権の64・0%である。それより上位は紅白歌合戦や、東京五輪で「東洋の魔女」が金メダルに輝いた女…

  •  ホンダの創業者、本田宗一郎さんが、皇居での勲一等瑞宝章の親授式に真っ白なツナギ(作業服)で出席しようとしたのは有名だ。「技術者の正装だから」。結局は燕尾服にしたが、本田さんは根っからの現場人間だった…

  •  今日は冬ごもりの虫がはい出るという二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」。何に春を感じるかは、土地によって、人によってさまざまだろうが、神戸や明石では瀬戸内海のイカナゴ漁の解禁が春の訪れを告げる。旅人が漁…

  •  松井一郎大阪府知事と吉村洋文大阪市長が入れ替わって出馬するダブル選になりそうだ。大阪都構想の住民投票実施で公明党と折り合わなければ、「もう一度、皆さんの声を聞くしかない」(松井氏)。辞職しての再出馬…

  •  バブルの絶頂期だったと記憶する。テレビから「♪ビジネスマーン! ジャパニーズ・ビジネスマン」と勇ましいメロディーの歌声が流れて、「24時間戦えますか?」。栄養ドリンクのCMだった。景気は天井知らずで…

  •  既視感がある。北朝鮮がミサイル発射や核実験を繰り返し、極度に緊張が高まっていた一昨年、わが国会で口角泡を飛ばして騒がれていたのは何だったか。モリである。カケである。いいかげんで満腹したかと思っていた…

  •  同床異夢だったのだろう。何らかの合意に至るとみられた米朝首脳会談が決裂してしまった。非核化と制裁解除をめぐる主張が大きく食い違ったようだ。トランプ米大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は…

  •  ひょっとしてこの2人、馬が合うのかもしれない。再会を待ちわびていたように歩み寄り、握手を交わした。トランプ米大統領は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を「偉大な指導者」と持ち上げた。以前は「…

  •  40年近く前になるが、パキスタンにあるインダス文明のモヘンジョダロ遺跡を取材した際、宿泊した町の中心部に古ぼけた戦車が置かれていた。インドとの戦争の戦利品だと、ガイドが誇らしげに語った。インダス川に…

  •  向田邦子さんの「海苔と卵と朝めし」は「二・二六事件のころ、私たちは宇都宮に住んでいた」と書き出す。昭和11(1936)年2月26日。実家が舞台となった山王下に近かった母は、鉄砲玉が宇都宮まで飛んでく…

  •  大阪が生んだ世界的町人学者を記念して、海外の日本研究者を顕彰する山片蟠桃(やまがた・ばんとう)賞の第1回受賞者はドナルド・キーンさんだった。賞の創設に尽力した司馬遼太郎さんは、授賞式で「府民の一人と…

  •  かの福沢諭吉の嘆きもむべなるかな、である。「不幸なるは、近隣に国あり、一を支那と云(い)い、一を朝鮮と云う」。福沢が創刊した時事新報の明治18年の社説。「脱亜論」として知られる。反日戦略をいったん引…

  •  昨日の小欄で「スーパームーンでは、地震の発生確率が高まるというが、どうだろう」と書いたので、「北海道で震度6弱」のニュース速報に驚いた。昨年9月の震度7を観測した地震の余震とみられるが、はたして接近…

  •  昨日は帰宅途中に、雲が切れた東の夜空に浮かんだ、見事な満月に見とれた。月は楕円(だえん)軌道で地球を回っており、最接近した満月は遠点よりも14%大きく、30%も明るく見えるという。正しくは「スーパー…

  •  麺にスープを染み込ませて油で揚げ、お湯をかけると3分でラーメンができる。画期的な発明だった。NHKの連続テレビ小説「まんぷく」は、試行錯誤の末にようやく即席ラーメンが完成した。ところが、値段が高すぎ…

  •  「がっかり発言」の風向きが変わってきた。競泳の池江璃花子(りかこ)選手が白血病を公表したことに、桜田義孝五輪相が「がっかりしている。水泳の盛り上がりが下火にならないか心配だ」とコメントしたと報道され…

  •  先日、近所の梅林で梅の俳句を募集していることを紹介したが、作品が掲示されていた。その中から一句。「冬至咲き 次いで楊貴妃 梅ふふむ」。「冬至」は早咲きの白梅、「楊貴妃」は薄紅色の品種である。桜のよう…

  •  週末、改めて競泳の池江璃花子(りかこ)選手に思いをはせたい。白血病であることを自ら公表し、寄せられる激励に「必ず戻ってきます」と再びツイッターで答えた精神の、何と高貴なことか。戻ってきてくれると信じ…

  •  交番に韓国人の青年が駆け込んできた。「韓国人と日本人が1時間も前から殴り合いのけんかをしています」。警察官が「わかった、すぐに行こう。しかし、なぜもっと早く来なかったのかね?」「さっきまでは韓国人の…

  •  「理想というものは一番スローガンに堕し易い性質のものです。(略)若しも理想がスローガンに過ぎないのならば、理想なんか全然持たない方がいい」。近代批評の第一人者であった小林秀雄は「歴史の魂」でこう書い…

  •  8日付の「夕焼けエッセー」は北海道恵庭市からの投稿で、つま先が冷気でしびれるように痛く、お母さんが「足の上に乗りなさい」と温めてくれた幼い頃の思い出だった。「半世紀前の北海道は、今よりもずっと冬の寒…

  •  詩人の石原吉郎は大戦後、ソ連に8年抑留された。極限生活を経たその言葉は胸を突く。「ここにおれがいることを、日に一度、かならず思い出してくれ」。刑務所に収容されたときの心の叫びをそうつづった。祖国から…

  •  大阪府内で昨年1年間に起きた刑法犯の認知件数(暫定値)は9万5562件で、平成になって初めて10万件を下回った。大阪府警が発足した昭和30年以降で最も少ない。とくに「大阪名物」と揶揄(やゆ)されたひ…

  •  通勤路になっている公園の梅林で、いつの間にか早咲きの紅梅に白梅が加わった。淡い色彩とほのかな香りが、早春のハーモニーを奏でる。「梅の俳句募集」の看板があり、毎年、応募作品が掲示される。立ち止まって一…

  •  先日、「ホッチャレ」を紹介した。海を回遊して大きくなった鮭は、産卵のため生まれた川に戻ってくる。流れに逆らう厳しい旅で、傷つき痩せてぼろぼろになる。ようやく卵を産むと、力尽きて川面にその身を横たえ、…

  •  松井一郎大阪府知事と吉村洋文大阪市長が、ともに辞職しての出直しダブル選挙をにおわせている。4月の府議選、市議選に合わせてだが、そのまま2人が当選すると、残りの任期が満了する今秋に再びダブル選の必要が…

  •  きょうは二十四節気の「立春」である。いつもは「暦の上ではもう春」なのだが、暦通りの暖かさで、北陸地方では春一番が観測された。「立春をすぎて初めて吹く強い南寄りの風」だから、いうまでもなく最も早い。七…

  •  「X庁長官」の手紙は城が測量士を採用すると告げている。だが城の謎めいた役所組織は測量士を阻み続けた。文書に行き違いがあった、調書を作成します…。作家、カフカが長編「城」で描いたのは、巨大な官僚組織の…

  •  「野球のない季節の男は、人生を忘れた漂流者のように見える」。作詞家の阿久悠さんの言葉である。「野球というスポーツは、男に人生を語らせるために存在しているのだ」という名言もあるように、生前、甲子園の高…

  •  昭和40年11月、カイロに出かけた経団連会長の石坂泰三に、三木武夫通産相から電話が入った。当時、エジプトでは国際電話で日本語を使うことを禁止されており、「砂嵐のせいか、よく聞こえない上に英語だ。何か…

  •  「木に竹を接ぐ」とは、性質の異なるものを接ぎ木してもなじまないことから、筋が通らない、釣り合いがとれないという意味である。厚生労働省は平成13年の中央省庁再編で誕生したが、どうして厚生省と労働省を統…

  •  2004年のアテネ五輪では、よく地下鉄で街ダネの取材に出かけた。中心部のシンタグマ広場の最寄り駅は、壁一面に古代の生活の跡が残る地層がむきだしで、土器などの出土品も数多く展示されていた。建設の際に発…

  •  アイドルグループ「嵐」が活動休止を発表した。ただの嵐つながりだが、唐時代の五言絶句「勧酒」を井伏鱒二が訳した「花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ」が思い浮かんだ。人気の絶頂は、満開の桜とい…

  •  ロシアの作家、トルストイに民話「人にはどれほどの土地がいるか」がある。農夫が土地への欲に捕らわれる。手に入れてもより広い土地がほしくなって、また探す。日が沈むまでの1日で歩いて回った分だけ手に入れら…

  •  テニスの全豪オープンで日本人初の決勝に進出した大坂なおみ選手のインタビューが楽しい。「(全米オープンで優勝した)経験が生きたのかも。まだ21歳なのにね」。開幕時には、どの程度、体を絞ったのかと尋ねた…

  •  1918年から19年にかけて世界規模で大流行した「スペインかぜ」はインフルエンザだった。発生源は米国とみられるが、第一次世界大戦のさなかで参戦国では情報統制がなされ、中立国だったスペインでの流行が大…

  •  台風21号による関西国際空港の閉鎖もあったが、昨年の訪日外国人旅行者数は3119万人、旅行消費額は4兆5千億円と、いずれも過去最高だった。しかし、1人当たりの支出が3年連続で減少したのが気になる。中…

  •  江戸時代の川柳に「田舎医者さじを投げては馬で逃げ」とある。「さじを投げる」は、もう患者の治療方法がないと医者が薬を調合するさじを投げ出すことから、努力しても改善の見込みがないと諦める。防衛省もついに…

  •  悲報ではあるが、113歳で亡くなった世界最高齢の男性、野中正造(まさぞう)さんは、うらやましくなるほどの大往生だった。就寝中に息をしていないことに家族が気づき、死亡が確認された。前日も普段通りに食事…

  •  明日20日は大寒。1年で最も寒いころとなる。この日が来たらあとは春に近づいていくはずと頭の中で念じるが、実際はまだまだ寒い。暦がめくれていくのを指折り数えることになる。風邪など引かないようみなさんも…

  •  昨日は「亥の大変」と呼ばれた宝永地震を取り上げたが、こちらは「亥の砂降り」の名がついた。同じ宝永4(1707)年の11月23日、富士山が大噴火した。江戸の町にも大量の火山灰が降り積もり、「雪のふり下…

  •  宝永4(1707)年は亥(いのしし)年だった。10月4日、東海地方から西日本にかけて大地震が襲った。マグニチュード(M)8・4~8・6と推定され、記録に残る日本最大級の地震である。太平洋岸は津波に見…

  •  北海道に「ホッチャレ」という言葉がある。先輩コラムニストの石井英夫さんは、平成15年の初場所中に引退した横綱貴乃花をこう書いた。「天命というべき産卵を終えたサケたちはぼろぼろのホッチャレとなって力尽…

  •  平成2年に設置された脳死臨調は白熱の議論が戦わされた。「西欧諸国では脳死を死と認め、臓器移植を行っている。どうして日本ではできないのか」。こうした多数派に抗して、梅原猛さんは反対を貫いた。「臓器移植…

  •  1月は日本の伝統に触れることが多い月である。正月料理の品々や初詣の光景もそうだろう。しめ飾りなどを焼く「どんど」も行われる。辞書的には小正月15日の行事だが(広辞苑)、今ではこの3連休に行われるとこ…

  •  韓国人が日本人を殴った。韓国人はこう叫んだ。「私には自分の腕を自由に振り回す権利がある」。すると日本人はこう答えた。「しかし、その権利は私の鼻の直前までが範囲のはずなんですよ」。早坂隆著「新・世界の…

  •  衣料品通販サイトを運営する前沢友作氏が「お年玉」として100万円を100人にプレゼントした。ツイッターをフォローしてリツイート(拡散)すれば応募でき、その数は世界記録になったそうだ。総額1億円も話題…

  •  今日は「風邪の日」である。寛政7(1795)年の旧暦1月9日、大横綱の谷風梶之助(2代)が亡くなったのに由来する。63連勝など土俵上では無敵を誇り、「わしが倒れているところを見たいなら、風邪にかかっ…

  •  高校、大学で剛球投手として鳴らした江川卓さんは、2度もドラフト指名を拒否し、「空白の一日」を利用して巨人と契約した。ごり押しを意味する「エガワる」が流行語になった。プロ野球界だけでなく日本中を騒がせ…

  •  いただいた年賀状に「大阪万博に行きたい」「万博まで長生きするぞ!」という添え書きがあった。2025年はそう遠くないから「長生き」はオーバーだが、期待と盛り上がりを感じる。今日が仕事始めの企業も多いよ…

  •  葉を落とした正月の冬山はしみじみとした味わいがある。春の柔らかい若葉はいつしか夏の日を盛んにはじいていた。やがて色づき、今はすっかり散った。木々の骨相が浮かび上がっている。黒々と太い幹もあればほっそ…

  •  作家の田辺聖子さんの生家は大阪・福島にあった写真館である。「田辺写真館が見た“昭和”」(文芸春秋)に「正月は戦場だった」と書く。晴れ着姿の客が引きも切らず、合間に写真技師たちが雑煮やお節料理をかっ込…

  •  平成元年のNHK紅白歌合戦は2部構成で行われ、第1部の「昭和の紅白」では、歴代の司会者が思い出を語り、戦後の歌謡史というべき名場面が映像で紹介された。ピンク・レディーとザ・タイガースが再結成し、5年…

  •  米国の株式市場には「サンタクロース・ラリー」と呼ばれる現象がある。ラリー(Rally)は「持ち直す」「反発する」で、クリスマスから新年にかけて株価が上昇しやすい。12月は節税対策による保有株の処分売…

  •  版画家の田主誠さんが本紙朝刊(大阪発行)の地方版に連載していた「いい日本みつけた」が25日付で終了した。ちょうど700回である。週1回、足かけ17年にわたって、さまざまなテーマを取材し、版画を描き、…

  •  大(だい)大阪と呼ばれた時代がある。大正14年、大阪市は東京市を抜いて全国1位、世界6位の人口を持つ都市となった。市域が拡張されたこと、東京が関東大震災で打撃を受けたことが背景にあるが、それはまあい…

  •  米国ではこの時期に決まってテレビ放映される映画があるという。フランク・キャプラ監督、ジェームズ・スチュアート主演の「素晴らしき哉、人生!」。1946年の作品だが、権威ある映画批評サイト「ロッテントマ…

  •  エスカレーターは片側を空けておくものだと思い込んでいた。昭和42年に改装された阪急梅田駅で、急ぐ人のために、と呼びかけたのが始まりで、大阪万博で全国に広まったという。大阪は右側に立ち、東京は左。欧米…

  •  今年の訪日外国人旅行者数が3千万人を突破した。初めて1千万人を超えた平成25年からわずか5年で3倍になった。関西国際空港も台風21号による閉鎖でブレーキがかかったが、国際線の旅客数は過去最高になりそ…

  •  寺山修司さんは競馬の名言を数多く遺(のこ)した。「誰でも、偶然なしでは生きている愉(たの)しみがない。そんなとき、無印の非力(ひりき)な馬の馬券を一枚買ってみる。その馬の『万に一つの逆転の可能性』は…

  •  「ミスターラグビー」と呼ばれた平尾誠二さんが53歳で亡くなって2年になる。18年ぶりにラグビーの日本選手権を制した神戸製鋼の橋本大輝主将は、平尾さんの遺影を胸に表彰台に上がった。かつて7連覇を達成し…

  •  昭和20年12月15日のこと。日本を占領していた連合国軍総司令部(GHQ)は、神道と公的なもののかかわりを禁じる指令を出した。よほどこの宗教を敵視していたのだろう、国家神道を「カルト」、熱狂的崇拝と…

  •  安政元(1854)年の安政南海地震は前日、正確には32時間前に起きた安政東海地震に続いて発生した。大阪市浪速区にある「大地震両川口津浪記」の石碑は、大地震と津波による甚大な被害を伝え、「年々文字よみ…

  •  江戸城では師走の13日にすす払いをした。1年の汚れを払うと年神様がご利益を持ってやって来るとされ、正月準備の行事でもあった。本所松坂町の吉良上野介邸でもすす払いを行い、翌14日、茶会を催したという。…

  •  映画監督の小津安二郎(1903~63年)は誕生日も命日も12月12日である。「東京物語」や「秋刀魚の味」などで庶民の哀歓や人情の機微を描いた名匠は、映画界の後輩にこう言っていたそうだ。「君、人間は少…

  •  臨時国会が閉幕した。これほど低調で中身のない国会はかつてなかろう。改正出入国管理法が成立したが、政府・与党はスケジュールありきで、野党は型通りの抵抗を見せただけである。徹夜国会など残業手当の無駄だ。…

  •  京都大の本庶佑(ほんじょたすく)特別教授がノーベル医学・生理学賞の授賞式に和服で出席する。1968年に文学賞を受賞した川端康成さん以来で、半世紀ぶりとなる。男性は燕尾(えんび)服という決まりだが、民…

  •  17世紀オランダの画家、フェルメールは贋作(がんさく)につきまとわれた。ナチス幹部がその絵を持っていたことがわかり、オランダの宝を敵に売ったと問題になったことがある。ところがこれは、オランダ人による…

  •  今年の10大ニュースを選ぶアンケート用紙が回ってきた。「国内」は西日本豪雨や台風、北海道地震など相次いだ災害を迷わず上位にしたが、「国際」は困ってしまった。6月にトランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委…