正論 記事一覧会員向け記事
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1月7日に首都圏4都県に再び緊急事態宣言が発せられた。経済活動への影響は少なくなく、予定の1カ月で解除となるよう国民の一層の行動変容が期待される。
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日本の2021年は、世界に広がった新型コロナウイルス・パンデミックの「第3波」の最中に幕を開けた。ジョセフ・R・バイデン米次期大統領の登場以後も、「西方世界」、日米豪加各国や西欧諸国が浮上させた対中…
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コロナ禍は「国家安全保障」の問題である。パンデミック(世界的大流行)は「平時」と違う「有事」の事態である。「平時の行政手続き」を超える「危機管理」の発想が要求される。
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衛生は国家の基本であり、人間の死生を分かつものである。人生の究極的な目的は生理的円満を手にすることにある。生理的円満を可能にするものがすなわち衛生であり、そもそも国家存立の理由はこれが「衛生団体」で…
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年始早々、2度目の緊急事態宣言が発令された。昨年の今頃、我々はまだ「新型コロナ禍」という言葉すら知らなかった。令和2年が戦後初の緊急事態宣言が発令される年になるなど、誰が想定していたであろうか。1回…
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2020年、創立75年を迎えた国際連合をめぐるニュースのうち気になった一つに米国の民間調査機関ピュー・リサーチ・センターが行った国連に対する好感度調査がある。昨年6~8月に先進14カ国を対象に行われ…
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アメリカでは大統領選挙に際し選挙管理に不正が生じたとの俄(にわ)かには信じ難い理由で、その結果に納得出来ないと言ひ張る人々と、ともかくも出た結果を承認しようと言ふ人々との間で輿論(よろん)が二分され…
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近代日本を代表する思想家といえば、福沢諭吉を外すわけにはいかない。福沢がいなかったら近代日本自体がなかったという人もいる。とはいっても、福沢の著作は難解ではなく、平明で人情の機微にふれ、かつユーモア…
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≪元日や一系の天子不二の山≫ 日本における神道の行方について考えたい。大和島根が自然に豊かな環境であるかぎり、末永く続く、と私はひそかに考えている。神道のこころは、神道学の知識などない人々の間にも、…
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≪長い歴史の感覚で捉える≫ 新型コロナウイルス禍が長引く中で、令和3年を迎えた。
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揉(も)めに揉めた大統領選挙の揚げ句、米国にバイデン次期政権が誕生する。諸政策の発表はこれからだし、主要閣僚人事などは指名だけで上院の承認も済んでいない段階で論評するのは時期尚早であるとは分かってい…
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はるけくも来つるものかな。12月7日に発表された第5次アーミテージ・ナイ報告書が「2020年の日米同盟-グローバルな課題とともにある対等な同盟」と題されているのをみた時に覚えた感慨だ。この報告書は、…
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日本と中国は永遠の隣国である。二国間の関係は距離が近いほど、経済が大きいほど接触が多くなり摩擦が大きくなる。
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≪どんな『鬼退治』を成したか≫ 「指に足りない一寸法師 小さい体に大きな望み、お椀(わん)の舟に箸の櫂(かい)、京へ遥々(はるばる)上り行く…?」 本来ならば国民一致して祝福されるべき秋篠宮家の「慶…
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2050年にCO2排出をゼロにするという目標が流行(はや)っている。威勢はよいが、意味を解(わか)って言っているのだろうか。
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≪「自由で開かれた」の重要性≫ バイデン米次期大統領が菅義偉首相に初めて電話をした11月12日、私は息をのんだ。定着していた「自由で開かれたインド太平洋(FOIP=Free and Open Ind…
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厚生労働省による新型コロナウイルス感染症の国内発生動向をみている。第3波襲来が大々的に報道される一方、PCR検査による陽性者のうち死亡した者の比率(致命率)は緊急事態宣言が解除されたころに比べても下…
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菅義偉首相が所信表明演説で、2050年に温室効果ガス排出実質ゼロを目指すと宣言して以降、その実現に向け次々に政策案が打ち出されている。2兆円規模の基金を創設して脱炭素技術の研究開発支援を行うこと、省…
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報道によれば、政府は皇族の減少に伴う公務の負担軽減策として結婚後の皇族女子を特別職の国家公務員と位置づけ、皇室活動を継続してもらう制度を創設する検討に入った。その際、皇族女子には「皇女」という新たな…
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米国はバイデン次期政権に向けて動き出した。これを見据えた欧州の動きは早い。トランプ政権下で亀裂の入った米欧関係を修復すべく早速、米欧協調のためのボールを投げている。今月2日にEU(欧州連合)が発表し…
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武漢ウイルス感染の第3波が拡大するに従い報道も過熱の一途を辿(たど)っている。感染者数の増減に一喜一憂するのが日課となってしまった人も多くいることだろう。この数字の多寡で国民が感染状況を把握し注意喚…
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≪戦勝国史観へ異議申し立て≫ 来年はソ連邦解体(崩壊)30年に当たる。実はこのソ連邦解体以降、欧米諸国での近現代史研究が大きく様変わりしていることはあまり知られていない。
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≪日本の共和党びいきは思い込み≫ アメリカ、とりわけ民主党人同士の間に日本は共和党贔屓(びいき)だという感覚があるようだ。(11月9日付日経ビジネスへのブラッド・グロッサーマン、エリス・クラウス両教…
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先頃、秋篠宮皇嗣殿下の立皇嗣宣明の儀が終わり、殿下が皇位継承順位第1位であることが広く、正式に伝えられた。
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令和2年とはどんな年だったのだろう。年の瀬も近いので少し早めに回顧してみたい。まず、何よりも中国・武漢発新型肺炎の猖獗(しょうけつ)である。政府の対応が後手に回り、未(いま)だ有効策を打ち出せない状…
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今となっては笑い話だが、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉をやっていた頃は途方もない言説が飛び交った。「米国の多国籍企業が日本の富を奪うための陰謀」「TPP参加で国民皆保険制が崩壊する」-こんなこと…
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韓国の文在寅大統領が来年7月の東京五輪を前後に、日・米・韓首脳に加え北朝鮮による4者会談を提案したとされる。韓国メディアによれば、11月に日本を訪れ菅義偉首相に面会した朴智元国家情報院長は「日本の強…
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没後50年を機に改めて作家、三島由紀夫が注目されている。米国出身の筆者も三島が大好きだ。作品を手にしたのは確か20年以上前、大学生の頃だった。米テネシー州立大学チャタヌーガ校の図書館の本棚から、1冊…
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今年度から「高等教育の修学支援新制度」が導入された。いわゆる大学無償化である。導入に当たり、萩生田光一文部科学相は、「様々な人に出会い、経験を積み、多くを吸収し、自らの可能性を広げてください。そして…
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≪スカッドミサイル「販売中」≫ 2017年3月6日、北朝鮮は短距離弾道ミサイル・スカッドER4発を西岸の東倉里付近から日本海に向けて発射した。いずれも約1千キロ飛翔(ひしょう)し、うち3発は日本の排…
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日中関係の安定は重要か。国際問題の専門家なら、ほぼ全員がイエスと答えるだろう。11月24、25日に中国の王毅国務委員兼外相が日本を訪れた際、会談した菅義偉首相、茂木敏充外相、加藤勝信官房長官が、いず…
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長引く新型コロナウイルス禍が日本の社会や日本人の人生観に与える影響は、静かに進行している。時代思潮の基調や人々の宗教観に徐々に変化が起きてきていて、それは文化の様相にも転調をもたらすであろう。この1…
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毛沢東は中国を統一したが、「大躍進」「文化大革命」の大悪政で、大陸を物質的・精神的に荒廃させた。トウ小平が改革開放に踏み切り、明るい市民社会の形成が期待されたが、共産党は選挙制度を導入しない。だから…
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≪総選挙でスー・チー与党が大勝≫ アウン・サン・スー・チー国家顧問が率いる国民民主連盟(NLD)が約半世紀続いた軍事政権に代わって政権に就いて約5年、その信を問うミャンマー総選挙が11月8日に実施さ…
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菅義偉内閣が始動した。規制改革、デジタル庁、温室効果ガスをめぐる2050年のカーボンニュートラルの目標など、矢継ぎ早に政策の新方針が打ち出されている。働き盛りの閣僚ら面々が、早く成果を出そうと精を出…
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武漢肺炎の蔓延(まんえん)は今になつても終熄(しゅうそく)の見込みが立たず、その不幸な影響の持続に対し我々一般市民も見通しの暗い長期戦に堪へてゆく覚悟を迫られてゐる様である。
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コロナ禍で我々の生活様式が大きく変わった。この間、企業の業績が激しく落ち込んだ旅行・飲食業界と、大きく上昇した通販・IT業界の著しい変化で分かるように、未曽有ともいうべき災難で被る業界別の損害や利益…
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筆者は8月27日付本欄で米民主党によるカマラ・ハリス上院議員の副大統領候補指名にバラク・オバマ前大統領の思惑があると指摘した。彼は、トランプ第2期政権となればオバマゲートの捜査が本格化することを強く…
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2020年米国大統領選挙を制したのは、ジョセフ・R・バイデン(米国前副大統領)であった。2016年選挙に際して、「米国を再び偉大に」と呼号して登場したドナルド・J・トランプ(米国大統領)の執政は、彼…
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≪日本学術会議をめぐり≫ 日本学術会議のあり方が問われ出して以来、「学問の自由」という言葉が飛び交っている。しかし「自由」は果たして根本から問い質(ただ)されているだろうか。
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≪検定期間中の公表≫ 文部科学省の教科用図書検定調査審議会は、11月10日総括部会を開き、教科書検定の期間中に検定結果や検定内容を公表した教科書会社に対する罰則規定を新設し、令和3年度から実施する方…
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中国共産党は台湾が独立宣言すれば戦争すると言明している。戦争を正当化するためには自衛や独立など正義に適(かな)う理由があり、個人や国家の利己的利益のために復讐(ふくしゅう)・支配する侵略の悪を正して…
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≪中国は孫子の兵法で来るか≫ 「問題は尖閣諸島が中国の手に落ちるかどうかではない。いつ落ちるかだ」。ロンドン・キングス・カレッジのアレッシオ・パタラーノ教授はここ数年の中国の動向を見てこう断言する。
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米大統領選挙は激戦の末に、民主党のジョー・バイデン前副大統領の当選が確実となり、勝利宣言した。バイデン氏がジョージア州などでも勝利すれば、306人の大統領選挙人を獲得することとなる。
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10月26日の所信表明演説で菅義偉首相はまずG7(先進7カ国)、次いで中国、ロシアに言及、米国はその次に置かれた。また「我が国外交・安全保障の基軸である日米同盟」という抽象的表現は使われているものの…
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菅義偉政権が発足して約2カ月が過ぎた。「国民のために働く内閣」として、国内問題解決のため矢継ぎ早に課題とその達成を各閣僚に指示している。
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□国士舘大学特任教授、日本大学名誉教授・百地章
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外国人も日本で生活になじむ人がふえてきた。私たちも外国人と親しく接することが大切だ。外地で生活に溶け込むには、土地の言葉を気楽に話せる力を身につけるのが大事だが、よき外国人と親しくなれるかどうか、そ…
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≪危機時の対応力を軽視≫ 新型コロナウイルス禍という危機にあたり、企業法制の観点から株式会社の対応能力は日本と比べ、欧州が段違いに高いことを思い知らされる。
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高校受験の願書や就職の履歴書の性別欄をなくす動きがあるという。航空会社が「Ladies and Gentlemen(レディース・アンド・ジェントルメン)」の機内アナウンスをやめるというニュースも聞い…
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我が国の海洋政策は紳士的であり、国際法と国際基準に則(のっと)り進められている。しかし国際社会において国際法を順守する国は少なく特にアジアの海域において国際法は機能しているとは言い難い。
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善し悪(あ)しは別にして、これまで政治家が自ら唱えたり、抱懐してきた国家像にはそれぞれ意味はあったと思う。「軽武装・経済大国」「普通の国」「ハンディキャップ国家」「戦後レジームからの脱却」「美しい国…
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米国の対中国外交は経済・貿易戦争にとどまらず、サイバーを含む軍事的なライバル関係に突入していることは、もはや周知のことである。実際に米国は軍事力を中東から徐々に撤退させ、その比重をアジア・インド・太…
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原子力政策のアキレス腱(けん)といわれる、放射性廃棄物の最終処分地の問題に大きな動きがあった。処分地選定の最初の一歩である文献調査を、北海道の2自治体が受け入れたのだ。
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日本学術会議の一部会員の任命拒否問題について、憲法と行政法の立場から考えてみたい。
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新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)で国際社会の食物生産や流通に異変が起きている。
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今回のコロナウイルスの感染拡大は、人々の生活様式を大きく変えることとなった。「ステイホーム」期間中に、ホワイトカラーの在宅勤務はごく普通のことになり、外食産業では来店よりもテークアウトを選ぶ人が増え…
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≪政治と知の懸隔を浮き彫りに≫ 日本学術会議に絡む紛糾は、当代日本における「政治の世界」と「知の世界」の懸隔を浮き彫りにしたようである。
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≪私は会員に選ばれない≫ 私は大学教員でそれなりに論文もあるが、日本学術会議の会員には絶対に選ばれない自信がある。
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≪旧ソ連地域での紛争頻発≫ 旧ソ連地域では「領土保全」や「民族自決(自決権)」をめぐる紛争が頻発している。今も、南コーカサス(カフカス)では、アルメニア(AM)とアゼルバイジャン(AZ)が、歴史的に…
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チンギスハンに関する展示を延期する、とフランス西部のナント歴史博物館が12日に発表した。来春に開幕予定だった展示について中国の政治的検閲が次第に度を越してきたのが理由だと伝えられている。国際社会の文…
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□動物行動学研究家・エッセイスト・竹内久美子
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東京オリンピックが予定されていたため、今年は7月24日だったが、10月の第2月曜日は「スポーツの日」である。「体育の日」が「スポーツの日」に今年から変わったのだ。私は、この名称変更に強い違和感を覚え…
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「新聞離れ」が叫ばれて久しい。
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菅義偉氏が内閣総理大臣に選ばれ、きわめて人気が高い状況が続いている。携帯電話料金の値下げなど庶民に分かりやすく明確なメリットのある政策や、デジタル庁の設置だけでなく、河野太郎行革担当相のハンコ廃止の…
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今月発売された人気劇画「ゴルゴ13」の単行本(ムック)に、コミンテルン(世界共産主義革命を目的としたソ連主導の国際組織。1919~43年)の謀略工作を紹介する記事が掲載された。日米開戦や、第二次世界…
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アメリカというと、大統領選とコロナ禍の報道が多くなるのはやむを得ないが、こういう時世であればあるだけ、アメリカ内部に生じている、いかにも民主主義国アメリカならではの現象にも注意を払うことが重要だと思…
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デジタル化を掲げる菅義偉内閣がスタートした。デジタル庁はすでに創設に向け動き始めている。20年来の課題だったデジタル政府が、今度こそは実現しそうだ。
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本格的に菅義偉・新政権がスタートした。携帯電話料金の値下げやデジタル庁でロケットスタートを切った半面、日本学術会議の任命問題では批判を受けている。ただいずれも個別問題という点では同じであり、政権構想…
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新型コロナウイルス禍の下、これまで読む機会を逸していた古典や大作に取り組む人が増えていることは将来に希望を抱かせる。それは、日本人を「深き民」へと導くからである。
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菅義偉新政権がスタートするなり、モリソン豪首相、トランプ米大統領と相次いで電話会談を行った。両指導者の目的は、日本の北京寄りの外交を牽制(けんせい)することにあったのではないだろうか。
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読書の秋となった。コロナ禍で読書人口がいくらか戻ってきたといわれるが、読書の長期低落傾向を反転させるほどにはみえない。近年の読書調査によれば、社会人の半数ほどが全く本を読まない。かつては読書人といえ…
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中国共産党政権(以下中共)が画策する日米分断工作に乗せられないため、両国民の相互理解を不断に深めていかねばならない。
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≪なぜ世界から遅れたか≫ 本欄でも何度も触れているが、日本の行政のデシタル化は世界に比べ大きく遅れている。今回の新型コロナ禍でもマスク配布から給付金のデジタル申請まで、その遅れが明らかになった。
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≪戦略的外交とデフレ脱却≫ 第2次安倍晋三政権発足直前の平成24(2012)年10月、自民党総裁選に勝利した安倍会長率いる議員集団の創生「日本」は、『新しい「日本の朝」へ』(中間報告・素案)と題する…
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≪決めるのは主権者たる国民≫ 菅義偉新内閣のアフターコロナの最大の政治課題の一つが憲法改正問題である。筆者は憲法も人が作る以上、時代の変化に合わせ見直す必要があると考えるが、変えるにせよ、変えないに…
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菅義偉氏が第99代内閣総理大臣に就任した。憲政史上最長の内閣となった安倍晋三内閣は、経済活性化の面で多くの業績を残した。外交面でも日本の存在感を大いに高めた。しかし、新型コロナウイルスによる経済の悪…
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≪政治の枠組みが変わり≫ 菅義偉首相の誕生、合流新党・立憲民主党の結成、新生・国民民主党の結党など、政治の枠組みは大きく変わった。懸案の憲法改正問題について、どのように考えればよいのか。以下で私見を…
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近年外交専門家の国際会議ではポスト安倍の日本の対外政策がどうなるのかがしばしば話題になった。日本をリベラル国際秩序の維持勢力と位置づけ、そのための国際協調を主導してきた安倍晋三前首相の姿勢が将来にわ…
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11月の大統領選を前にして、筆者の母国アメリカは大変な状態が続いている。ミネソタ州ミネアポリスで5月、白人警官に拘束された黒人男性が死亡した事件を契機に、各地で抗議デモや暴動が広がった。8月にはウィ…
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≪幻の米朝秘密会談≫ 2018年2月7日、ペンス米副大統領は首相官邸を訪れ、安倍晋三首相(当時)と会談した。その後、共同記者会見で両者は、「北朝鮮が非核化に向けた真摯(しんし)な意思と具体的な行動を…
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日米両国や西欧諸国を含む「西方世界」と中国の確執が熾烈(しれつ)になる中、聞こえてきたのは、「ファイブアイズ」と通称され、米英豪加各国にニュージーランドを加えた5カ国から成る機密情報保全の枠組みとし…
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7年8カ月に及ぶ第2次安倍晋三政権が終幕を迎えた。この間のエネルギー政策はどう評価すべきであろうか。電力・ガスのシステム改革によって、700近い小売り電気事業者が生まれ、全国ほぼすべての地域で既存の…
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台湾、「小国寡民」のこの島が自由と民主主義を擁し、高所得と高度技術をもつ存在として立国しているのはまことに稀有(けう)なことなのであろう。
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難病の再発のため辞任した安倍晋三前首相に代わって、菅義偉前内閣官房長官が首相に就任した。
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多くの大学では、9月下旬から始まる秋学期(後期)においてもオンライン授業を続けようとしている。
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今から5年前の2015(平成27)年4月8~9日、天皇、皇后両陛下(現上皇、上皇后陛下)がパラオ共和国を行幸啓された。このとき、パラオの人々は日の丸の小旗とパラオの小旗を振って両陛下を大歓迎した。そ…
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新型コロナウイルス感染症は爆発的な拡大を一時的に回避したように見える。この抑止傾向に最大の貢献をしているのが高齢者の行動自粛と考える。日本全体に占める20~30歳代の人口は約21%、70歳代以上の人…
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≪「日本は戻ってきた」≫ 安倍晋三首相の辞任表明を受け、在任期間を振り返る中で元駐タイ大使の故・岡崎久彦氏が本欄に寄せた論稿が思い出された。第2次政権発足から間もない平成25(2013)年3月8日付…
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北朝鮮で異常な出来事が続いている。その原因は、金正恩朝鮮労働党委員長の個人資金である党39号室の外貨が制裁の結果、枯渇してきたことだ。安倍晋三首相の置き土産と言うべき最強圧力(マキシマム・プレッシャ…
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コロナ禍によって世界中至る所で多くのことが不確実性を増しているが、そういう時であればあるだけ「変わるもの」、「変わらないもの」、「変わるべきもの」、「変わってはならないもの」の見極めが重要になる。
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8月28日午後、安倍晋三総理は辞任の意向を表明した。憲政史上、最長の執政を誇った宰相への評価は、今後いろいろと示されるであろうけれども、本稿では当座のものとして私見を披露したい。
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米国の大統領選が本格化し、投票まで2カ月となった。トランプ大統領の支持基盤として重要な南部フロリダ州やテキサス州で新型コロナウイルス感染者が急増するなど感染対策とともに、人種問題で足をすくわれた感が…
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いま韓国ではまたもや「親日残滓(ざんし)の清算」が喫緊な課題として浮上したらしい。与党、共に民主党は国立墓地に眠る「親日出身者」の遺骨を掘り出して移葬する「破墓法」(国立墓地法の改正)を発議、今国会…
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≪日本の存在感を高めた≫ 第2次安倍晋三政権には目立った成果が乏しかったと批判する向きがあるが、少なくとも外交については妥当ではない。安倍外交は世界における日本の存在感をかつてなく高めたからだ。日本…
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≪安倍首相辞任と米大統領選≫ 安倍晋三首相が電撃的に辞意を表明した。第1次政権での失敗と長期政権での経験を活(い)かして、安倍首相は外交・安全保障の分野で存在感を示した。
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今年は20世紀を代表するドイツの社会学者マックス・ウェーバーの没後100年に当たる。ウェーバーが死の前年の1919年1月、ミュンヘンで学生団体を前に行った講演をまとめた「職業としての政治」は今も政治…
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4~6月期国内総生産(GDP)成長率の速報値は、年率換算で27・8%という大マイナスだった。戦後最悪の落ち込みであり、それだけ事態は深刻だという報道が多い。ここではありがちな誤解について、3点指摘し…
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1944年は、フランクリン・ルーズベルト大統領(FDR)が4選を狙う選挙の年だった。当時は、副大統領候補も夏に開かれる党の全国大会の投票で決まった。
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≪問題は行動できるか否か≫ 次期大統領がトランプ氏、バイデン氏どちらであっても米国の厳しい対中姿勢は変わらない、といった論評をよく目にする。果たしてそうか。
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≪「政策様式」も新しく≫ 新型コロナウイルス感染症の影響は長引きそうだ。コロナの以前と以後ではわれわれの生活をとりまく各種状況は大きく変わった。政府が国民に対し「新しい生活様式」を求めるのも理解でき…
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皆さんご承知の通り、さる7月の中旬に、若くて才能にあふれ、ストイックで人一倍努力することでも知られる、ある俳優が自らの手で命を絶ってしまった。
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敗戦後、旧制高校は米国占領軍の手で一九五〇年に完全廃止された。七十年たった今、出身者は九十代、絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)である。その一人、旧制台北高校出身の李登輝元総統が七月三十日に亡くなった。
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新型コロナウイルスに世間の耳目が集まる中、過日痛ましい事件が起きた。ご自分の病状を嘆いていた筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者さんが、本人が望んだとはいえ、2人の医師によって命を奪われた事件だ。
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≪戦後75年と日本人の国際認識≫ 戦後75年は、わが生涯でもある。その間、国際政治の研究者としてソ連や米国で数年生活し、多くの国を訪問して政治家、専門家や市民たちと交流した。その体験を基に、日本政治…
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米中対立が拡大している。7月22日にビーガン米国務副長官が議会で「南シナ海で中国の主張を押し返す」と証言した。他方、中国の王毅外相は7月21日「南シナ海は我々の庭であり、中国と東南アジア諸国は永久に…
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≪悠久の歴史を意識する≫ 今年の8月15日は、新型コロナウイルス禍の下で迎えることになった。感染拡大予防のために、全国戦没者追悼式も規模を縮小して行われるのはやむを得ないことである。しかし、いうまで…
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≪戦前生まれの世代の眼から≫ 米国を主とする連合国との大戦争に辛うじて停戦交渉を成立させてより75年の夏が来てゐる。戦前生れの世代の眼には、自分が体験した世界史の節目についての記憶がこの長さの既往の…
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≪静まり返る靖国神社の社頭≫ 中国・武漢発の新型コロナの感染が拡大する中、4月の靖国神社春季例大祭には勅使の奉幣はあったが、ご遺族らの参列はなく、境内は静まり返っていた。
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かつては、毎年8月も半ばになると、お盆と終戦の日があいまって何か独特の雰囲気を漂わせていた。昭和30年代、私が少年だったころは、子供心にも、8月15日が特別な日であることは十分に感じ取られた。社会全…
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≪日本の指導者は覚悟持て≫ 昨年7月の当欄でトランプ米大統領の日米安保条約に関する発言を論じた際、編集部から「戦後に別れ告げる『第三の黒船』」との見出しを頂戴したが、いよいよ政財界指導者が新しい時代…
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時代は変わった。コロナ禍が変えたからだ。
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≪心理の感染回避できるか≫ 過日、旧知の精神科医と一杯やる機会があった。「このところ新規感染者数が増え第2波がやってきたということなんでしょうかね」と問う。氏は「そんなこともないでしょう。数百人くら…
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≪遺骨収集めぐる国家の不在≫ 「テニアンは島全体がお墓みたいなもんだ」。昨年放送されたNHKスペシャル『戦没者は二度死ぬ』冒頭の遺族の言葉である。サイパン島に隣接するこの小島には先の大戦の戦闘員と民…
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今年2月の東京大学入試(文系国語)に教育格差の問題がとりあげられた。問題文は学校教育を媒介に階層が再生産される事に思いをはせなければならないという文から始まる。不平等のもとになる教育格差は家庭の経済…
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第二次世界大戦終結後、三四半世紀(さんしはんせいき)の節目の夏は、武漢ウイルス禍「第2波」到来が語られ、米中確執が激越になる中で、迎えることになった。
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今年5月、延期されていた中国全国人民代表大会(全人代)が開催されてから約1カ月で慌ただしく香港国家安全維持法が制定され、6月30日から施行された。
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≪明治維新前の2つの戦争≫ 国難である“小さな戦争”が国民の意識に与える影響について、私はこれまでに何度も書いたことがある。例えば日本の近代化の出発点となった約150年前の「明治維新」が、何故(なぜ…
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銅像の破壊は歴史的に繰り返されてきた。古代ローマの将軍、皇帝などが制覇したエジプトから、ラムセス2世、トトメス4世などのオベリスクを奪い、勝利のトロフィーとしてローマで展示した。古代エジプトの君主で…
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サッチャー英首相がベルギーで西欧政治家向けに講演し、白人は「白人の責務」を背負って野蛮な民の世話をやくため植民地開拓の事業をした。それは世界に文明をもたらした。謝る必要はないと言ったことは前に紹介し…
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≪米国が過去の誤り認めた報告≫ 「過去20年間の対中関与政策は『誤り(false)』だった」 米国のトランプ共和党政権は5月20日、「中国に対する米国の戦略的アプローチ」と題する報告書の中でこう指摘…
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≪イージス・アショア代替案は≫ 北朝鮮は昨年5月以降、この1年で30回もミサイル発射を日本海方向に向けて行ってきた。この脅威は今後とも続くと思わざるを得ない。日本は飛翔(ひしょう)してくるミサイルを…
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平成7年、「海の日」は、海の恩恵に感謝し、海洋国である日本の繁栄を願い制定された。以来、25年がたつが、日本を取り巻く海の情勢は、厳しさを増すばかりだ。北方領土返還交渉は遅々として進まず、竹島は奪わ…
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≪新型コロナで問題が増幅≫ 「この数年で思い切った変革が実行できるかどうかが、日本の未来を左右する」と、今年の骨太方針の冒頭に書かれている。
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この夏も日本列島は九州を中心に激しい豪雨災害に見舞われた。想定外の災害が常態化し、年を追うごとに激しさを増している。積乱雲が帯状に固まって局地的に豪雨が降る「線状降水帯」が次々と発生したのが原因で、…
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新型コロナウイルス感染症のパンデミック化は予断を許さない状況が続いている。どうすべきか、手がかりを求めて過去をさかのぼると、約100年前にたどり着く。大正7(1918)年、「スペイン風邪」(インフル…
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地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画が事実上撤回された。
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政府によるイージス・アショアの配備計画撤回をどう見るべきか。
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「アメリカこそ黒人がひどく差別され、警察の暴力が横行する非人権国家だ」。ウイグルでの弾圧や香港「警察」の暴力が問題にされるたび、決まって中国共産党政権(以下中共)が用いる反撃セリフである。
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≪45年ぶりヒマラヤで衝突≫ 去る6月15日夜、インド北部ラダック地方、中国・インド両国の係争地帯にあるヒマラヤ山脈中のガルワン峡谷にて、中国・インド両軍部隊が衝突した。その衝突では、インド軍に20…
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およそ2年半前の2017年末、北朝鮮が核実験と弾道ミサイル発射を繰り返す緊迫感のなか、陸上配備型イージス・システム-イージス・アショア-が、秋田県と山口県にある陸上自衛隊の演習場に配備される方針が固…
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≪朝鮮戦争に「関与」せず?≫ 今年は、朝鮮戦争勃発から70年に当たる。自衛隊創設の契機となったこの朝鮮戦争に、占領下の日本は深く関与していた。
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ロシアは改憲で、プーチン大統領の長期政権を可能とし、愛国主義高揚策も強めた。新憲法で日本に直接関わるのは「領土の割譲禁止」と「国境画定作業」の条文である。今年2月、大統領は改憲作業班との会見の際、以…
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今、世界が直面する脅威として、ウイルス以外に国連は6つの脅威を指摘している。国家間戦争、内戦、テロリズム、大量破壊兵器の拡散、環境汚染、国際犯罪である。
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中国で発生した新型コロナウイルスは、瞬(またた)く間に世界中へ広まった。多大な感染者、犠牲者を出し、第2波が恐れられている。
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新型コロナウイルスへの対応の中から生まれたテレワークの拡大。日本を停滞させてきた諸課題の解決に向けた起爆剤になる可能性も秘めている。
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米国のトランプ大統領は6月17日、ウイグル人権法案に署名した。議会の超党派の支持を得ていた同法の成立により、ウイグル人弾圧に関与した中国当局者に制裁を科すことが可能となった。中国は新疆ウイグル自治区…
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6月に来年度から使用される中学校教科書の展示会が全国各地で始まった。展示会は令和元年度の検定に合格した教科書を初めて見る機会であったが、それによって重大な事実が判明した。
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「アベノマスク」をめぐる狂騒曲は一段落した気配だが、相変わらず10万円一律給付については、自治体毎(ごと)の遅速の差が報道されるなど混乱は続いている。理由は簡単でオンラインで申請したとしても、データ…
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≪靖国神社の御創建記念日に≫ 6月29日は靖国神社御創建記念日である。明治2年の此(こ)の日(当時旧暦)に東京招魂社として発足した神社は、太陽暦採用に際してその日付をそのまま新暦に移して創立記念日と…
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≪現状で実施可能な遠隔授業≫ 新型コロナウイルスの影響で学校が休校となったことにより、小中高の現場が混乱している。多くの学校は、再開された後に、夏休みを短縮したり、カリキュラムを再構成することなどで…
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米ミネアポリス近郊で5月下旬、黒人のジョージ・フロイドさんが白人警察官に首を押さえ付けられ死亡した事件を発端に、全米や欧州でも暴動や反人種差別デモが広がった。SNS(会員制交流サイト)などでは著名人…
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≪朝鮮戦争勃発から70年≫ 金正恩朝鮮労働党委員長主演、文在寅韓国大統領助演の詐欺ショーが幕を下ろそうとしている。舞台セットの一つであった開城工業団地内の南北共同連絡事務所を北朝鮮が爆破したからだ。
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≪日本が見逃したタンカー≫ 2018年5月3日、東シナ海の公海上、海上自衛隊の補給艦「はまな」が、北朝鮮船籍タンカーに接舷する韓国籍タンカーを発見した。対北朝鮮制裁・国連制裁で禁止された「瀬取り」容…
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新型コロナウイルスがもたらした国際政治経済の地殻変動において、コロナ後の世界をにらんだ米中が主導権競争を一層先鋭化させている。いまや自由主義秩序と権威主義秩序との対立となっていることは明白である。
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生物のテーマは、「生存」と「繁殖」である。生き延びること、そして自分の遺伝子のコピーを増やすこと。
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≪旧民社党の果たした役割≫ 旧民社党にいた8人の委員長で最後まで存命した、塚本三郎氏が亡くなられた。個人として寂しいし、解党後も不思議な存在感を残していたこの党にも新しい時代が到来したのであろうか。
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ウィズコロナの時代、新卒学生の就職活動は昨年までとはまったく異なってきた。
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日本は今後、どんな産業で食べていくのだろうか。地下に豊富な天然資源が埋まっていれば考えずに済むのかもしれないが、残念ながらわが国はそうではない。コロナによる自粛で、国民の命は医療・福祉だけでは守れず…
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≪外れかねない「ワニの口」≫ 甚大な被害が広がる新型コロナウイルス禍で2020(令和2)年度予算の一般会計は2度にわたる補正予算を含め160兆円に膨れ上がった。