産経抄産経抄 記事一覧会員向け記事

  •  昨日の全豪オープンテニス男子1回戦、錦織圭選手は2セットダウンからの逆転勝ちだった。12日に82歳で亡くなった女優の市原悦子さんは著書で、そんな錦織選手に苦言を呈している。「もっと余裕をもって勝たな…

  •  ソルトレークシティー五輪の招致をめぐる買収スキャンダルを地元テレビがすっぱ抜いたのは、1998年の暮れだった。国際オリンピック委員会(IOC)の委員10人が、追放あるいは辞任に追い込まれる事態に発展…

  •  本紙で新たに連載が始まった「日本人の心」の武将、楠木正成は数え16歳で元服した。12歳で初陣の正成にしては遅かったとか。時は流れ、現代の若者は7割以上が成人式は「20歳で」と希望している。

  •  休日の昼下がりに、父と兄と妹が3人でテレビを見ている。「お父さんとお兄ちゃんは、あんまし話さないけど…」。妹のナレーションにやおら立ち上がった父は、左腕から右腕、あごの順に自分の体をなでていく。野球…

  •  ふと「盗人(ぬすっと)猛々(たけだけ)しい」という言葉は、韓国にもあるのだろうかと気になった。調べると「賊反荷杖(チョクバンハジャン)」がそれに当たるという。泥棒が逆ギレし、あべこべに鞭(むち)を振…

  •  テレビの旅番組が花盛りである。タレントがどこかの国に出かけて美しい風景を紹介し、珍しい料理に舌鼓を打つ。あらかじめ現地のコーディネーターが決めたスケジュールに沿って、撮影は進む。

  •  幼い頃の思い出として多くの人が肩車を挙げる。詩人の長田弘さんもその一人だった。「わたしは巨人だ。ちっちゃな巨人だ。わたしの見ているものはほかの誰にも見えないものだ」。「肩車」という詩に、父親の肩の上…

  •  「フランスという国がどれほど日本に知られていないか、ご想像以上なのです…日本にはフランス文学についての本すらありません」。著名な作家でもあった駐日フランス大使、ポール・クローデルが本国にあてた書簡で…

  •  パリで車を止めたところは、駐車禁止の場所だった。たちまち警官がやってきて怒鳴り出す。ところが、今日これから日本に帰るところだと説明すると、態度は一変する。「パリは気に入りましたか」とニコニコと話しか…

  •  ソニーの創業者、井深大(まさる)さんは、幼児教育の研究者としても知られていた。著書の『幼稚園では遅すぎる』に、親友だったホンダの創業者、本田宗一郎さんから聞いた幼い頃のエピソードを記している。

  •  国民に高い人気を誇る日本のマラソン界にも、夜明け前の時代はあった。日本が初参加した1912年ストックホルム五輪にこぼれ話がある。マラソン代表に選ばれた選手が辞退を願い出た。「荷が重過ぎる」と。

  •  日本の近隣国は、正式な国交のない台湾を除き、困った国ばかりである。中国は尖閣諸島(沖縄県石垣市)への領土的野心を隠さず、軍事的・経済的膨張主義をとっている。ただ、世界第2位の経済大国であり、米国と並…

  •  「中二病」という言葉がある。中学2年生ぐらいの男子が、自意識にめざめて反抗的になったり、背伸びして大きなことを言い出したりする症状を指す。

  •  歌舞伎の六代目菊五郎は、大の相撲好きだった。昭和14(1939)年1月15日、双葉山の連勝が69で止まった「世紀の番狂わせ」も、マス席から見ている。悲鳴と怒号、座布団が飛び交うなか、ただ一人顔色一つ…

  •  慶応4(1868)年の元日の江戸は快晴だったらしい。まもなく鳥羽、伏見で旧幕府軍と新政府軍の戦闘が始まる。7月には江戸が東京と改称され、9月には明治と改元、つまりこの年は明治元年となる。

  •  師走の週末。15分の休憩時間が終わり、コンサート第2部の幕が開こうかというそのとき、演者も現れていないのに、2階席で拍手が鳴り響いた。何事かと振り向くと、美智子皇后陛下がおいでになったのである。

  •  『徒然草』の吉田兼好に筆のしくじり話がある。雪の降る朝、知人に用件のみをしたため手紙を出したところ、返事が来た。雪に一言も触れぬ、ひねくれ者の言うことを聞けましょうか。「口をしき御心(みこころ)なり…

  •  「仮想敵国は日本だ」。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の師匠にあたる故・盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領はブッシュ米政権のラムズフェルド国防長官と初会談した際、こう言い放った。今年2月の小欄でも紹…

  •  「私は一本のロウソクをとりあげて、皆さんに、その物質としての身の上話をいたしたいと思います」。『ロウソクの科学』(KADOKAWA)は、こんな書き出しで始まる。

  •  夏目漱石の名刺を見たことがある。本名の夏目金之助の他、余計なものは何もない。明治44年に文部省から文学博士号を授与されても、躊躇(ちゅうちょ)なく辞退している。「たゞの夏目なにがしで暮したい希望を持…

  •  「クジラのコロ(皮)のおでんを、いつか安価で楽しめる日を待ち望むばかりである」。国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退について、期待を込めたコラムを先週書いたら、お叱りの手紙をいただいた。「捕鯨問題がわ…

  •  長い歴史を持つクリスマスは、20世紀に入って大きく変容する。「何であろうとそのとき世界で起こっている悪いことをクリスマスにはいったん休止して、平和と博愛の時間を過ごそう」。そんな考え方が生まれて、第…

  •  有馬記念も終わり、今年も残り1週間となった。といってもきょうお伝えしたいのは「競馬必勝法」でなく写真の撮り方だ。読者にはプロ級の写真愛好家もいると思うので釈迦(しゃか)に説法なのはお許しいただきたい…

  •  トルコの民話に、稲を植える賢者が通りすがりの人にからかわれる話がある。「稲が実る頃には、お前の体が弱っているだろう」。賢者は笑った。「いや、子孫のためさ。先祖が私のために植えてくれたように」。

  •  小学校の給食で供されたクジラの竜田揚げは硬くてなかなかかみ切れず、不人気メニューだった。大学時代、仲間と一杯やる際は、クジラベーコンが定番のつまみだった。何しろ安かったし、近所のコンビニでもパック入…

  •  今年もっとも印象に残った「迷言」といえば、これにとどめを刺す。「女子の方がコミュニケーション能力が高く、男子を救う必要がある」。東京医科大の不正入試問題をきっかけに、他の大学の医学部入試でも、女子や…

  •  世界で初めて航空母艦(空母)を新造したのは、日本だった。「鳳翔(ほうしょう)」と名付けられ、大正11(1922)年に完成している。第二次大戦中も日本は、米国に次ぐ「空母大国」だった。

  •  「●(からだ)の上に大きな消しゴムが乗っかっている」。向田邦子さんのエッセー『消しゴム』は、奇抜な書き出しで一気に読者の心をつかむ。消しゴムの正体は、後半になって明かされる。

  •  三菱財閥の創始者、岩崎弥太郎の孫にあたる沢田美喜さんが、神奈川県大磯町にエリザベス・サンダース・ホームを開いたのは、昭和23年2月である。進駐軍の兵士と日本人女性との間に生まれた孤児を救うためだ。

  •  明治日本の軍事費の割合は、戦争をしていない時でも、歳出の30%近くを占めていた。だからといって、国民が重税にあえいだわけではない。では、軍事費を何でまかなったのか。

  •  米国暮らしの長かった絵本作家の八島太郎さんに、人柄のにじむ挿話がある。久々の帰国で〈飛び出すな車は急に止まれない〉の交通標語を目にし、「話が逆だ」とこき下ろした。「〈飛び出すぞ子供は急に止まれない〉…

  •  駆け出し記者だった30年近く前、初めて暮らす東北地方の初任地で、このようなポスターを見て驚いた。「奥羽越列藩同盟百○×周年記念シンポジウム」。小欄にとっては歴史のかなたの出来事が、ここではまだ生々し…

  •  ロンドン特派員時代、北アイルランドに出張すると近所の住民に伝えるたびに、真顔で心配してくれたものだ。「あんな危ない所へ行って大丈夫?」。

  •  「中国国民に対する重大な人権侵害行為である」。カナダ当局が中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の副会長を拘束した件について、在カナダ中国大使館が出した声明である。「どの面(つら)下げて」。いさ…

  •  「現金3億円、輸送車ごと奪われる」「白バイ装い待ち伏せ」「ギャング映画ばり」。昭和43(1968)年12月10日の小紙夕刊は、こんな見出しで、3億円事件の発生を伝えた。以来、各紙の社会面は前代未聞の…

  •  日本の女子フィギュアスケートの歴史を遡(さかのぼ)れば、稲田悦子さんに行き着く。1936年に行われたガルミッシュパルテンキルヘン(ドイツ)冬季五輪に、日本女子として初めて出場した。

  •  203連勝で引退した柔道家、山下泰裕氏の最後の試合は、主審も陰の主役だった。斉藤仁氏と争った昭和60年の全日本選手権決勝である。中盤、強引に技を掛ける山下に、斉藤は返し技の投げで応じた。両者は崩れ落…

  •  7日付小紙正論欄で、東大名誉教授の平川祐弘(すけひろ)さんが回想していた。「日本が米英と西太平洋で交戦状態にはいったその日から戦争は『大東亜戦争』と呼ばれ、敗戦後は『太平洋戦争』となった」。平川さん…

  •  「あなたは監視されている」。全国一の繁華街といえる東京・歌舞伎町では、平成14年に防犯カメラが導入された。朝日新聞は、それを伝える記事に冒頭の見出しをつけた。「善良な市民の平穏まで害するおそれがある…

  •  「外国人からみて日本の民主主義は絶滅寸前だ」。今年3月のネットニュースにこんな見出しの記事が掲載されていた。森友スキャンダルでは、首相官邸と国会周辺で小規模のデモが起こっただけ。

  •  米の横流しの罪で死刑を言い渡された父親を救うため、自分たちきょうだいが身代わりになる。16歳の「いち」は奉行にそう申し出た。奉行は、いちの最後の言葉にたじろいだ。

  •  昭和と平成の境目のころから、新聞記者の生活は大きく変わった。それまでは取材に出てしまえば、会社に連絡しないかぎり、行動の自由があった。

  •  首相官邸で開かれていた宮沢喜一首相主催の夕食会は、騒然となった。平成4年1月、訪日中のブッシュ米大統領が、食べた物をもどし、いすから崩れ落ちた。

  •  トランプ米大統領はスマートフォンを3台持っているという。全て「iPhone」で2台は機密保全に穴のない公用である。大統領はしかし、無防備な私用の1台で人と話すのをやめない。会話が中国に盗聴されている…

  •  内閣官房参与の飯島勲さんが、週刊文春11月29日号に寄せたコラムが話題になっている。元朝鮮人労働者をめぐる訴訟で、韓国最高裁が日本企業に賠償を命じる確定判決を出した問題について、こう断じているのだ。…

  •  女優の赤木春恵さんは、終戦を旧満州のハルビンで迎えた。半年前から兄が現地で設立した劇団に参加して、各地を巡業していた。兄が召集されてからは、20歳にして座長を務めていた。

  •  「フランケンシュタイン」というと、顔にギザギザの傷痕が走り、首にボルトが突き刺さった怪物を思い浮かべる人もいるだろう。実は怪物には名前がない。

  •  「いやや~、手、はなしたらこわい~!」。必死で叫んでも、おとうちゃんは容赦がない。「すまこっ、やる気を出さんと、なにもできん」「いけっ!」。銅版画家の安井寿磨子さんが、初めて補助輪なしで自転車に乗れ…

  •  「日本には選挙があって大変ですね」「25年間に11回選挙をしました」。1972年9月、田中角栄首相が日中国交回復のために訪中した際、毛沢東主席との間で、こんなやりとりがあったそうだ。

  •  「馬券が必ず当たる」競馬の法則などあるはずはないが、「馬を知らなくてもよく当たる」買い方はある。お世話になっている読者のみなさんにだけそっとお知らせすると、賞金の高いレースは、外国人騎手が乗る馬を軸…

  •  大阪在住の方々には聞き捨てならない言葉だろう。カナダ生まれの社会情報学者、マクルーハンが言っている。「万国博覧会は過去のもの」。どういうこっちゃねん-と青筋を立ててはいけない。およそ半世紀前、196…

  •  十人十色というが、それぞれの立ち位置が表れていて興味深い。韓国政府が慰安婦問題をめぐる日韓合意に基づき設立された財団の解散を発表したことについて、在京各紙は22日付の社説で一斉に取り上げていた。それ…

  •  ソウル近郊の龍仁(ヨンイン)市にある法輪寺(ポンリュンサ)(尼寺)の境内に縦に倒されたままの石碑がある。先の大戦で日本兵として戦死した、朝鮮人兵士の「帰郷祈念碑」である。韓国通の女優、黒田福美さんが…

  •  日産自動車の会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)の逮捕には、謎が多い。その一つが時期である。なぜ、今週の初めだったのか。有価証券報告書への報酬減額の記載や不正な経費支出などは、数年前から行われてきた…

  •  昨日に続いて、番付について書く。何より江戸の庶民の関心を引いたのは、当時の金持ちのランキング、いわゆる長者番付であろう。たとえば「新板大江戸持○長者鑑」と題した番付は、170人の富豪を紹介している。

  •  北海道函館市が1位で、2位は京都市、3位は札幌市。民間シンクタンク「ブランド総合研究所」が先月発表した2018年の市区町村別の魅力度アンケートの結果である。

  •  旧東ドイツの警備隊員、コンラート・シューマンさんは同僚の兵士から、東西ドイツを隔てるベルリンの壁の建設が始まった、と聞かされた。1961年8月時点では、まだ有刺鉄線しかない。シューマンさんは、脱出を…

  •  教授の元に教え子から便りが届いた。「先生 お元気ですか/我が家の姉もそろそろ色づいてまいりました」。艶っぽい話である。いや、そうではないらしい。〈手紙を受けとった教授は/柿の書き間違いと気づくまで何…

  •  中国はさぞや困っていることだろう。「南シナ海における中国による軍事拠点化と領域拡張は不法で危険だ」。米国のペンス副大統領は15日、シンガポールでの東アジアサミットで、中国を名指しで糾弾した。ペンス氏…

  •  東京都文京区にある故鳩山一郎元首相の邸宅は現在、「鳩山会館」として一般公開されている。庭園の一角には、ソ連との国交回復を実現した一郎氏の銅像が立っている。平成19年2月にロシアのフラトコフ首相が来日…

  •  「日本の文化は米づくりのうえにきずかれ、山や川の自然も、農民により、米づくりを通して守り育てられてきたのでした」。評論家の富山(とみやま)和子さんは、『お米は生きている』(講談社)の後書きに書いてい…

  •  道端で腰掛けて休んでいると、知らない人が話しかけてきた。「自宅は分かりますか?」。ご親切には感謝するけれど「心境は複雑」と、81歳の男性は記す。お米を研いだり、茶碗(ちゃわん)を洗ったり、70歳の夫…

  •  「生き腐れ」という言葉があるほど、サバは傷みが早い。とはいえ冷蔵庫がない時代でも、京都の庶民は若狭湾で取れたサバを堪能できた。「鯖街道」のおかげである。

  •  仕事柄、金がもたらす不和を数多く見てきた。幸いにも、友人知己との間で大きな金を貸し借りしたことはないが、明日はわが身と備えるに越したことはない。心の構えようとしては、作家の菊池寛が参考になる。

  •  「最終的には国民が判断することで、今の状況は国会の怠慢」。日本維新の会の馬場伸幸幹事長は6日の記者会見で、今国会でまだ一度も開催されずにいる衆参両院の憲法審査会について嘆いた。立憲民主党などは、開催…

  •  埼玉県川口市といえば、映画「キューポラのある街」を思い出す。かつての鋳物の街は近年、ベッドタウンとして発展してきた。約3万人の外国人が暮らす街としても知られる。全国でも、東京都新宿区、江戸川区に次い…

  •  咸臨丸が米西海岸に到着したのは、安政7(1860)年3月である。サンフランシスコに上陸した福沢諭吉にとって、見るもの聞くもの全てが新鮮だった。

  •  マツタケ料理のひとつに土瓶蒸しがある。作家の幸田露伴は、ウナギの蒲(かば)焼きとの組み合わせを好んだ。「二ツ裂きにしたくらゐの大きな茸を入れ、その上からたれを清酒で薄めてそゝぎかけ、蓋をして火にかけ…

  •  日本から約7千キロ離れた南太平洋のニューカレドニアといえば、まず「天国にいちばん近い島」という言葉が思い浮かぶ。森村桂(かつら)さんが昭和41(1966)年に刊行し、200万部のベストセラーとなった…

  •  「先祖の話ができる人はうらやましい」と先月のコラムで書いた。突然の訃報が届いた江波杏子さんもその一人である。江戸・千駄ケ谷の植木屋平五郎は、新選組の沖田総司をかくまい、最期をみとった人物として、新選…

  •  禅僧で歌人の天田愚庵は正岡子規に短歌の開拓を促した人として知られる。ある年の秋、庭になる柿を病身の子規に送った。待てど返事がない。愚庵は気遣う歌を子規に宛てた。〈正岡(まさをか)は真幸(まさき)くて…

  •  韓国側が、どんな点に関して気をもんでいるかが分かる。元徴用工をめぐる訴訟で、韓国最高裁が日本企業に賠償を命じる確定判決を出した問題で、韓国紙・中央日報日本語版は1日、同日の衆院予算委員会における安倍…

  •  8代将軍徳川吉宗によって江戸町奉行に登用された大岡越前守忠相(ただすけ)といえば、名裁判官として名高い。「大岡裁き」の数々は、講談をはじめ、映画、ドラマでおなじみである。

  •  「いつの間にか日本は実質的に世界第4位の『移民大国』になっていた」。昨日の小紙談話室の投書から引いた。疑問を抱く読者がいたはずだ。安倍晋三首相は、「移民政策を取らない」と断言しているではないか、と。

  •  新たな国難が降りかかってきた。韓国最高裁が昨日、新日鉄住金(旧新日本製鉄)相手に韓国人4人が起こした訴訟で、新日鉄住金敗訴の判決を下した。

  •  日本からブラジルへの移民は、110年前に始まった。コーヒー農園での重労働に耐えかねて、都会に逃げ出す人も少なくなかった。彼らの多くがクリーニング店の商売を選んだ。ポルトガル語を話す必要がなく、日本人…

  •  東京での「ハロウィーン」は、どうやら10月の最終土曜日に決まったらしい。この夜は、善男善女が魔女やらお化けやらに仮装して渋谷に繰り出し、トラックをひっくり返したり、女性に抱きついたりと乱暴狼藉(ろう…

  •  国語学者の大野晋さんが約20年前に出した『日本語練習帳』にこうあった。新聞や雑誌に使われる単語の数は年間およそ3万語とされる。その5、6割は1度しか使われない。「つまり、半分の単語は…一年に二度とお…

  •  「いったい僕は、なぜこうみんなにいやがられるのだろう」。宮沢賢治は『よだかの星』で、見栄えが良くないと鳥仲間にばかにされ、いじめられるヨダカに、こんな悲しい独白をさせている。「僕は今まで、なんにも悪…

  •  上海の浦東国際空港は、1999年10月に開港した。日本の円借款から、400億円が拠出されている。翌年に空港を訪れたフリージャーナリストの青木直人さんは、中国人数十人に円借款について聞いてみた。

  •  3年以上にもわたった監禁生活は筆舌に尽くし難い苦痛の連続だったろう。内戦が続くシリアで武装組織に拘束されていた、フリージャーナリスト安田純平さん(44)が解放された。帰国して元気な姿を見せてほしい。

  •  日本の人口の増減がわかるのは、江戸時代の後半からである。8代将軍吉宗が、1721年から調査を命じたからだ。科学史家の板倉聖宣(きよのぶ)さんによると、当時を境にして日本全国の人口は、減少に転じる。そ…

  •  1961年の夏、米ワシントン州の小さな島からボートをこぎ出し、日がな一日寝転んでいる日本人がいた。海に群れをなすオワンクラゲから、どうやって発光物質を取り出すか、考え続けていた。1週間たって、ある方…

  •  2015年に第2次探検隊として水星に降り立った2人の宇宙飛行士は、たちまちトラブルに巻き込まれる。太陽熱から身を守るために必要な物質を取りに行ったロボットが、戻ってこない。10年前に第1次探検隊が残…

  •  東京の桜田門から虎ノ門へと走る道は桜田通りと呼ばれる。戦前、通りの南側には〈明治の匂(にお)いのする古風な赤煉瓦(れんが)の建物が二つ建っていた〉と、阿川弘之さんの小説『春の城』にある。その一つが海…

  •  まず民主党から出馬し、選挙区で落選して比例代表で復活当選を果たす。その後、日本維新の会に移り、そこで2回、比例復活当選後に民進党結党に参加し、希望の党から立候補してやはり比例復活当選する。そして国民…

  •  ディプロマシー(外交)という言葉の語源を知って驚いた。「ディ」は2、「プロ」は「プリ」(折ること)。つまり二つ折りにした文書を意味する。

  •  東欧出身のルースティッヒといえば、シカゴのギャングのボス、アル・カポネからも大金を巻き上げた希代の詐欺師である。パリに滞在中の1925年、エッフェル塔が修理を必要としているとの記事を新聞で読み思いつ…

  •  巨人がセ・リーグのCSファーストステージ突破を果たした立役者は、ノーヒットノーランの菅野智之投手である。ただ第1戦で力投した上原浩治投手の貢献も大きい。上原投手はスター選手では珍しく、大学浪人を経験…

  •  表裏が黒白の石を使い、相手の石を挟んだら、自分の色にひっくり返す。最終的に石の多い方が勝ち。オセロのルールはいたって単純である。もっとも1分で覚えられても、極めるのは一生かかる、ともいわれる。

  •  秋の学園祭シーズンだが学生の普段の「キャンパス滞在時間」は短くなっている。日本私立大学連盟の学生生活白書によると1日平均5・96時間で3年前の調査より減少した。サークル活動などの減少が目立つ。

  •  東京ディズニーランドでは24時間、清掃が行われている。閉園後の真夜中も、スタッフが園全体を水洗いし、常に新品の状態で来園者を迎えるという。合格基準は、その場で「赤ちゃんがハイハイできること」と厳しい…

  •  「何を言っているんだろうな、という感じだ」。北朝鮮が平成25年4月、国連安全保障理事会の対北制裁決議撤回を求めた際の記者会見で、菅義偉(すが・よしひで)官房長官が発した言葉である。とぼけた様子が当時…

  •  先祖の話ができる人はうらやましい。10日、87歳で亡くなった初代内閣安全保障室長の佐々淳行(さっさ・あつゆき)さんのルーツをたどると、織田信長の下で数々の戦功を挙げた佐々成政に行き着く。後に豊臣秀吉…

  •  ユニ・チャームの創業者、高原慶一朗さんが、前身となる会社を設立したのは、昭和36(1961)年である。その翌年には、米国へ視察旅行に出かけた。一番驚いたのは、サンフランシスコのスーパーでの光景である…

  •  認知症の進んだ祖母は、しばしば家を抜け出して徘徊(はいかい)する。孫の奈々子が、懸命に行方を捜していると、携帯に祖母からメールが届く。笑顔の絵文字だけが延々と続いていた。作家、大岡玲さんによる「絵文…

  •  1917年4月、ニューヨークで誰でも出品できる美術展が開かれることになった。直前になって送られてきたのが、男性用便器に「R・マット」と偽の署名をしただけの作品「泉」である。果たして芸術作品といえるの…

  •  わが家にはこの夏、2週間ほど居候の客がいた。どこから来たのか、壁と棚の隙間を出入りしていたのは幼いコオロギである。「ろくな食べ物もなかろう」と同情を催し、庭草に放してやった。虫のすだきを耳にする度、…

  •  至極当然の判断である。政府は5日、韓国側が求める国際観艦式での自衛艦旗(旭日旗)の掲揚自粛を拒否し、海上自衛隊の派遣を中止した。「海上自衛官にとって誇りの旗」(河野克俊統合幕僚長)であり、国際的に認…

  •  東京大空襲で築地市場はほとんど無傷だった。米軍は早くから、使い道があると判断していたらしい。接収は昭和20年秋から始まった。青果部の施設は、米軍のための洗濯工場となる。米国から最新鋭の機器が運び込ま…

  •  「光の魔術師」とも呼ばれる17世紀の画家、ヨハネス・フェルメール(1632~75年)に「手紙を書く婦人と召使い」という作品がある。実は2度も盗難に遭っている。最初は1974年4月、アイルランドの個人…

  •  英国の細菌学者、フレミングは後片付けが苦手だったらしい。1928年、夏休みの旅行から研究室に戻ってみると、ブドウ球菌の培養に使ったシャーレに青カビが生えていた。普通ならすぐ洗ってしまうところだ。

  •  今年8月18日付の日本経済新聞の1面トップ記事は衝撃的な内容だった。中国が近隣国に政治介入するためサイバー攻撃技術の開発に乗り出したというのだ。手本にするのは、2016年の米大統領選に関与したとされ…

  •  昔、新米記者は「トロッコ」と呼ばれていた。記者を「汽車」にかけて、トロッコもレールの上を走るものの、汽車にはほど遠いことからつけられたそうだが、言い得て妙だった。