産経抄産経抄 記事一覧会員向け記事

  •  初代内閣安全保障室長を務めた故佐々淳行さんは、英国統治下にあった香港の領事として、1967年の暴動のまっただ中にいた。佐々さんによれば、前年に始まった中国の文化大革命が暴動の「父」とすれば、「母」は…

  •  31年前の今日、85歳で亡くなった草野心平は、「蛙(カエル)の詩人」と呼ばれていた。「トテモキレイナ花。イッパイデス。イイニオイ。イッパイ。オモイクライ。オ母サン。ボク。カエリマセン。」(「青イ花」…

  •  旧ソ連の小話がある。「潔白で立派な人間を買うことはできるか」「買えない。売ることはできる」。密告制度を風刺した1961年の作という。「社会主義とは何か」「資本主義に至る最も長い道のりである」。

  •  「まずもって歓迎したい」。菅義偉官房長官は7日の記者会見で同日、衆院憲法審査会の自由討議が平成29年11月以来、約2年ぶりに行われたことを評価した。確かに一歩前進ではあろうが、かくも長きにわたり野党…

  •  昨日の「朝晴れエッセー」は、読んでいるだけで舌がしびれそうになった。盛岡市で飲食業を営む筆者はこの時期、赤唐辛子(とうがらし)のペースト作りに励んでいる。発酵が進むと、瓶のフタを開けたとたんにあふれ…

  •  インド独立の父とされるガンジーの生誕150年を記念する催しが先月2日、インド各地で開かれた。モディ首相は式典で、13億人の国民全員にトイレが整備された、と宣言した。衛生政策を重視したガンジーにあやか…

  •  経営コンサルタントの佐藤真言(まこと)さんが東京地検特捜部に逮捕されたのは、東日本大震災から半年後だった。衣料品会社の社長とともに、金融機関から融資金をだまし取った容疑だった。

  •  昭和20年の沖縄戦で、那覇市にある首里城は米軍の砲撃により徹底的に破壊された。戦後「首里城復元」の機運が高まるのは、米統治下にあった沖縄が本土復帰を果たしてからだ。

  •  病に倒れた妻の余命が1年くらい、と医師から知らされた時、夫はどんな行動を取るだろうか。SF作家の眉村卓さんは、1日1編、妻の悦子さんが読み終わってにやりとするような、短い話を書くことを思いつく。

  •  明治維新から日露戦争までの30年余りの日本を、司馬遼太郎は野球にたとえている。主力産品の米と絹をエースとたのみ、欧米の向こうを張ろうと目いっぱい背伸びする。「人口五千ほどの村が一流のプロ野球団をもと…

  •  両親を江戸の大火で失うと同時に、多くのみなしごを養うことにもなった若棟梁(わかとうりょう)、茂次はその一人でミカンを盗んだ重吉に諭す。「悪かったと思ったら、二度としなければいいんだ」。作家の山本周五…

  •  安倍内閣は一体どうなっているのか。菅原一秀・前経済産業相に続いて昨日、河井克行氏が法相の辞任に追い込まれた。萩生田光一文部科学相もまた、いわゆる「身の丈」発言で、野党やメディアから集中砲火を浴びてい…

  •  29日付の社会面では、「永遠のマドンナ」と呼ばれた女優、八千草薫さんの88年の生涯が紹介されていた。同じ紙面には、エッセイスト、木村梢さん(92)の訃報も載っていた。黒澤明監督の「七人の侍」などに出…

  •  先週のコラムで、中東のクルド人が国際社会の耳目を集めるようになったのは、1991年の湾岸戦争からだ、と書いた。イラクから周辺諸国に脱出した難民は、100万人を超えていた。

  •  「やつを仕留めた(ウイ・ガット・ヒム)」。2011年5月、当時のオバマ米大統領は、国際テロ組織アルカーイダの指導者、ビンラーディン容疑者の殺害を確認すると、こうつぶやいたという。

  •  相次ぐ大型台風の襲来と豪雨禍で季節を忘れてしまいそうだが、はや神無月も終わろうとしている。東京五輪のマラソンと競歩が、移る、移らないで話題の札幌では、北海道大学構内の銀杏(いちょう)並木が見ごろにな…

  •  ゴッホはひまわり、モネは睡蓮(すいれん)を愛した。「リンゴ一つでパリを驚かせたい」と言ったのは、セザンヌだった。秋の果実だけで約200点の絵を残し、後にパリの画壇どころか世界中の賛美を受けた「リンゴ…

  •  まずは約束とルールを守る。そんな人間社会の原則を軽んじる相手と、胸襟を開いて話し合ったところで実りはあるまい。24日の安倍晋三首相と韓国のナンバー2、李洛淵(イ・ナギョン)首相との会談は案の定、平行…

  •  「日本の新聞は、極めて深刻な中国の民族問題の基本的知識に関して、あまりにも無神経である」。元東大史料編纂(へんさん)所教授の酒井信彦さんが、小紙で指摘していた。その例として挙げたのが、「ウイグル族」…

  •  リオデジャネイロ・パラリンピックの終了直後に安楽死する。ある欧州メディアの報道により、ベルギーの車いす陸上の女子選手、マリーケ・フェルフールトさんは急遽(きゅうきょ)、記者会見を開かなければならなく…

  •  天皇陛下が長年、「水」の問題に取り組んでこられたことはよく知られている。実は「道」への興味が出発点だった。英国留学の思い出をつづった『テムズとともに』のなかで明かされている。

  •  デパートの買い物客は一斉に安堵(あんど)のため息をついたそうだ。昭和35(1960)年2月23日午後5時、「男子ご安産」のニュースが拡声器から流れた瞬間である。さまざまな感慨が込められていたはずだ。…

  •  「オランダは小さな国に不相応なほどに多くの絵画の巨匠たちを出した」。司馬遼太郎さんの『オランダ紀行』の一節である。司馬さんは、その一人であるフィンセント・ファン・ゴッホについて、多くのページを費やし…

  •  難事件の解決に腕を振るった名探偵シャーロック・ホームズは、五輪にも控えめな足跡を残している。

  •  至極もっともな話でも、この人が口に出すと抵抗を覚える。「益々(ますます)災害は大型化してきます。老朽化した橋梁(きょうりょう)、道路、河川の堤防などの総点検を東京五輪などより最優先すべきです」。甚大…

  •  日本国憲法が禁じている「検閲」が、最近注目されている。14日に閉幕した「あいちトリエンナーレ2019」の企画展、『表現の不自由展・その後』のおかげだ。

  •  韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の自殺は、衝撃的なニュースだった。2009年5月、自宅近くの山の岩場から飛び降りた。盧氏は当時、親族による不正資金疑惑の渦中にいた。検察は、業者から盧氏の妻らに渡…

  •  『奥の細道』に旅立つ前年の貞享5(1688)年8月、芭蕉は木曽路から信州に入った。月末に江戸に帰るまでの旅行記が『更科紀行』である。芭蕉はなぜか目にしているはずの千曲川の句をつくっていない。

  •  多くの死傷者、行方不明者が出ている。千曲川や多摩川など各地の河川が氾濫した。土砂崩れや鉄路、道路が寸断された地域もある。過去最強級の台風19号に備えはしたが大きな被害が出た。引き続き救助、復旧活動に…

  •  政府が発行する貨幣は6種類ある。そのうちの1つはお目見えして以来、意匠と素材が変わっていない。公募されたデザインは、表と裏で別の人による作品が選ばれた。表側に刻まれた「若木」は伸びゆく日本の象徴だと…

  •  「常に政治は一寸先は闇であり光だ」。国民民主党の玉木雄一郎代表は10日の記者会見で語った。玉木氏を目にかけている亀井静香元金融担当相が9日のBS-TBS番組で、今年夏頃に同党と自民党の大連立構想が持…

  •  今年のノーベル化学賞の受賞が決まった吉野彰さん(71)は昭和60年ごろ、さかんに「三種の鈍器」という言葉を口にしていた。「三種の神器」をもじった造語である。当時、大手化学メーカーの旭化成に入社して1…

  •  「虎丸」という勇ましい名前をつけたのは、祖母だという。やはり囲碁棋士の兄、芝野龍之介二段の「龍」の字と対になっている。もっとも、史上最年少で七大タイトルを獲得した19歳の新名人は一見、虎のイメージと…

  •  ノンフィクション作家の足立倫行(のりゆき)さんは、常々不思議に思っていた。日本各地を旅していると、いたるところで「名物イカ焼き」の看板を見かける。なぜ日本人はこれほどイカを「偏愛」するのか。

  •  86年の生涯を終えた大投手、金田正一さんは若い頃、黒澤明監督を「オヤジさん」と呼んで親しく付き合った。黒澤さんは、金田さんの豪放磊落(らいらく)ぶりを「化けもの」と表現してかわいがった。

  •  公立小学校の教員の志望者が減り続けている。教員免許を取得しながら、民間企業に就職する学生が後を絶たない。学校現場の長時間労働が敬遠されているらしい。

  •  町には風邪除(よ)けの札が配られた。札といっても薄紙1枚に過ぎない。風の袋を担いだ鬼が不動明王の眼光に縮み上がり、ほうほうの体で逃げ出す絵が刷られていただけだった-とは、宮尾登美子の代表作『櫂(かい…

  •  人にはそれぞれ、心の琴線に触れる言葉があるのだろう。安倍晋三首相は4日の所信表明演説で、多様性を認め合い、老若男女の誰もが個性を生かすことができる社会を目指すキーワードとして、山口県仙崎村(現長門市…

  •  主人公は、香港警察の名刑事である。その命が尽きようとする、2013年の場面で始まる。香港のミステリー作家、陳浩基(ちん・こうき)さんの『13・67』(文芸春秋)は2年前日本でも刊行され、大ヒットした…

  •  第二次大戦中の1941年末にバルト海に臨むナチス・ドイツの秘密研究所で「V2」の実験が始まった。歴史上初めての弾道ミサイルが完成したのは、翌年10月である。

  •  贈り物をきっぱり断るのは難しい。福島県知事の逮捕にまで発展した昭和51年の県政汚職事件の記録『ドキュメント自治体汚職』(吉田慎一著)に、こんな場面があった。

  •  直木賞作家で実業家でもあった故邱永漢(きゅう・えいかん)さんは70年前、香港で暮らしていた。生まれ故郷の台湾で独立運動に関わり、国民党政府ににらまれて亡命していた。やがて大陸は共産党の天下となり、香…

  •  寒風吹きすさぶ秩父宮ラグビー場で一杯やったホットウイスキーこそ、ラグビーの味だと思い込んでいたが、違った。「ワールドカップ史上、最大の番狂わせ」と英BBCに言わしめたアイルランド戦では、日本全国で何…

  •  将棋の米長邦雄永世棋聖には、名人戦に6度挑んで6度敗れた過去がある。7度目の挑戦に際し、二回り下の羽生善治氏らに頭を下げて教えを請うた。最新の戦術を手に、悲願をかなえたのは平成5年5月だった。

  •  読書週間(10月27日~11月9日)にはまだ一月早いが、ようやく残暑も和らいで読書向きの季節が到来した。活字中毒の小欄は、手元に常に1、2冊の本がないと落ち着かないが、そうそういつも読みたい本と出会…

  •  お腹(なか)の大きい若い女性と元夫が、法廷で裁判官と向きあっている。養育費の支払いを求める女性に、元夫は「金もない、職もない」とうそぶく。「外に止まっているのは、きみの車だね」。裁判官は元夫からキー…

  •  「先生、気層のなかに炭酸ガスがふえて来れば暖かくなるのですか。」「それはなるだろう。地球ができてからいままでの気温は、たいてい空気中の炭酸ガスの量できまっていたと言われるくらいだからね。」。

  •  昭和の昔、海外旅行がまだまだ高嶺(たかね)の花だったころ。わざわざ東京・神保町の大きな書店まで出かけてトーマス・クックの時刻表を手に入れ、まだ見ぬ欧州を疾走する特急列車に乗った気分になった鉄道愛好家…

  •  20日のワールドカップ(W杯)の開幕戦、日本の快勝を中継で確かめた後、同じチャンネルでラグビー映画の名作を見た。クリント・イーストウッド監督の『インビクタス 負けざる者たち』である。南アフリカで19…

  •  秋のお彼岸、社会面にお引っ越しした「ひなちゃん」一家もお墓参りをしていた。「ごせんぞさまはみえないけど、いるんですよね!」と聞く、ひなちゃんはやっぱりいいな!!と癒やされたが、先週不可解な判決があっ…

  •  「血液型を調べる必要がある」と医師に言われ、おじさんは右の腕を差し出した。「型が違う」と首を振る医師に、「僕の血が違うたあ何だ」とおじさんは納得がいかない。「もう一度、左からとってみてくれ」。

  •  「寄り添うだけでは被災地は救えない」。東電福島第1原発で、増え続ける汚染浄化後の処理水をめぐる原田義昭前環境相の忌憚(きたん)のない言葉は、ずばり本質を射ている。退任直前には「(処理水を海洋に)放出…

  •  いよいよ、ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会が開幕する。観戦の助けにと、刊行されたばかりの『ラグビーの世界史』(白水社)をひもといた。19世紀の初め頃、イングランドのパブリックスクール「ラグビ…

  •  ソロモン諸島は、日本からはるか6000キロも離れた南太平洋の島嶼(とうしょ)国である。南部のガダルカナル島にある、首都ホニアラの国際空港が玄関口となる。もともと日本軍が昭和17年7月に上陸して建設し…

  •  「ドローン」(無人機)とは、英語で雄バチを意味する。飛行の際のブーンという音に由来する。空撮や荷物の配達、農薬の散布など、世界中で実用化が進んでいる。とはいえ、もともと軍事目的で開発された技術だ。

  •  昭和43年9月18日、熾烈(しれつ)な優勝争いを繰り広げていた巨人と阪神の一戦で、「事件」は起こった。阪神のエース、ジーン・バッキー投手の厳しい内角球に対して、王貞治選手はマウンドに歩み寄って抗議し…

  •  日本で初めてのマラソン大会は、神戸-大阪間で開催された。明治42(1909)年に大阪毎日新聞(毎日新聞の前身)が主催した「マラソン大競走」である。きっかけは、大阪毎日の関係者が観戦した前年のロンドン…

  •  中空(なかぞら)の月が風情を帯びる季節は、長雨や台風と重なることが多い。作家で俳人の久保田万太郎は〈月哀(かな)しわれから雲をくぐるとき〉と詠んだ。いわゆる中秋無月に嘆息した句として、お天気博士の倉…

  •  任期制自衛官も失業保険に入れない。公務員宿舎削減で緊急参集要員住宅が確保できない。頻繁に異動があるのに引っ越し費用は半額自己負担-。ジャーナリスト、小笠原理恵氏の新著『自衛隊員は基地のトイレットペー…

  •  ニューヨークは何度も停電に悩まされてきた。今年7月にも変電所の火災が原因となり、エレベーターに閉じ込められる人が続出した。ブロードウェーの公演も中止になり、ミュージカルの出演者は路上に舞台を移して聴…

  •  安倍晋三首相が今年8月に抜くまで、戦後最長の政権を維持したのは、首相の大叔父にあたる佐藤栄作元首相である。内閣改造を6回行った佐藤は、「議員名鑑」を常に手元に置いていたといわれ、「人事の佐藤」とたた…

  •  日産自動車の西川(さいかわ)広人社長の突然の辞任表明は、フランスでも大きく報じられた。日産と連合を組むルノーの本社があるだけに、当然である。フィガロ紙は、「ブルータスが辞任した」などと報じたそうだ。

  •  刑務所暮らしのつらさの一つは、読み物がないことだという。3度の服役経験のある安部譲二さんは、どこの刑務所でも木工場で働いていた。棚には、インテリアの専門誌『室内』のバックナンバーが並んでいた。

  •  歌人の俵万智さんに、わが子の命名を詠んだ一首がある。〈とりかえしつかないことの第一歩 名付ければその名になるおまえ〉。三十一文字の向こうに、命名の筆を持つ親の震えを見るようで、鼻がつんとなる。

  •  安倍晋三首相が11日に行う内閣改造と自民党役員人事をめぐり、政界の楽屋雀(すずめ)は誰がどのポストを射止めるかだの狙いはどうだのとかまびすしい。自身の栄達や利害に直結するだけに、与党議員の話題はほと…

  •  早くから55歳で「隠居」すると決めていた。兵庫県姫路市出身のドイツ文学者の池内紀(おさむ)さんは、小学4年で父を亡くした。高校1年の時、大学を出たばかりの兄が、勤務先で事故死する。生活が苦しい中、池…

  •  ボリス・ジョンソン英首相は、オックスフォード大で古典学を専攻した。もちろん、文豪シェークスピアにも造詣が深い。自身が主役となった前回の与党保守党党首選の政争劇は、まさにシェークスピア劇さながらの展開…

  •  以前あるイベントで仕事を手伝った女性から昨日、電話で突然の報告を受けた。「私、おすし屋さんになります」。東京都内で、出版などを手がける会社の社長、白形(しらかた)知津江さん(46)である。

  •  ロシア出身のマリア・シャラポワ選手は、テニスの2004年ウィンブルドン女子シングルス決勝で、女王セリーナ・ウィリアムズ選手を破って初優勝を果たした。17歳の若さだった。

  •  「たっぷりの大根おろしとともに脂の乗ったサンマの塩焼きを久しぶりに堪能した」。昨年9月初旬のコラムに書いている。7月の初セリでは過去最高値がつくほど水揚げが少なかったが、8月下旬になって北海道沖で漁…

  •  戦後を振り返る令和の夏も過ぎ、もう9月だが国柄や戦史にちなんだ小話のクイズを同僚から聞いた。最強の軍隊を組織するなら指揮官や参謀など、どの国から招くか。将軍は米国、参謀はドイツ、兵士は日本から。では…

  •  蟹(かに)は、甲羅に似せて穴を掘るという。人の行いや考えは、身の丈に合ったものになるとの意味のことわざである。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、29日の臨時閣議で展開した激しい日本批判を見て連…

  •  隠せばいいというものではない。公立小中高校の入学式や卒業式では、かつて国旗掲揚や国歌斉唱に激しい反対運動があり、正面に掲揚するはずの日の丸をできるだけ目立たないところに隠すように掲げ、「掲揚」したこ…

  •  舞台は第二次大戦下のアフリカ・ケニアである。主人公のワタルは現地で貿易商を営む父と奥地に向かう途中、別れ別れとなった。マサイの大酋長(しゅうちょう)ゼガの力を借りて苦難の旅を続けるワタルは果たして、…

  •  韓国大統領府の民情首席秘書官といえば、政府高官の監視など強い権限を持つ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は2年前の就任時、検察出身者が就任するのが慣例だったポストに、ソウル大教授の法学者、チョ国(グク…

  •  いかにも世界最大の熱帯雨林アマゾンを有する、南米ブラジルらしい演出だった。3年前のリオデジャネイロ五輪の開会式である。約1万人の選手は入場の際に植物の種が渡され、行進中に大地に見立てた箱の中の鉢に植…

  •  郊外に越して何が良かったかといえば、駅まで歩いているだけで、季節の移ろいが肌で感じられることだ。ご近所に田んぼが結構、残っているのもうれしい。ほんの少し前までひょろひょろだった青苗が、灼熱(しゃくね…

  •  落語の名人、三遊亭円朝が東京・早稲田の大隈重信邸に呼ばれた。一席披露した後、盃(さかずき)を勧めてくる人がいた。主賓の伊藤博文である。「恐れ多い」とためらう円朝に隣の客がささやいた。「受け給(たま)…

  •  13世紀、ドイツ北部・ハーメルンに現れた男は、笛を吹き鳴らして集まった子供たち130人をどこかに連れ去り、二度と戻らなかった。グリム童話にも登場するハーメルンの笛吹き男の伝承である。21世紀の現在、…

  •  まもなく新学期。学校でのいじめに苦しんでいる子供は、このまま夏休みが終わらなければいい、と切に願うそうだ。「放射能がうつる」。東京電力福島第1原発事故の直後には、避難先で心ない言葉を浴びせられた子供…

  •  歌手の三波春夫さんは、酒、たばこ、賭け事にまったく縁がなかった。地方公演に出ても、舞台を終えるとまっすぐ旅館に帰って、読書に励む。そんな三波さんも、カジノで遊んだことがある。ロサンゼルスで公演した際…

  •  植村直己さんが、氷に閉ざされたグリーンランドの西海岸をただ一人犬ぞりを駆って3千キロを踏破したのは、昭和48(1973)年だった。実は現在では不可能な冒険だという。コースの一部が流氷になるなど、氷が…

  •  米カリフォルニア州の高速道路で、ノロノロ運転の大型トラックを追い抜いた。中年セールスマン、デヴィッド・マンの災難はささいな出来事から始まる。大型トラックは、なぜか執拗(しつよう)にマンの車を追いかけ…

  •  百本のろうそくを立て参加者が怪談を語り終える度に消していく。全て消えると…。「百物語(ひゃくものがたり)」は俳句の季語にもなっているという(『絶滅寸前季語辞典』夏井いつき著、ちくま文庫)。暦の上では…

  •  まなざしにはお国柄が出る。英国人は相手の話を理解すると、目を見つめてまばたきする。米国人は目を合わさず、代わりに相づちを打って同意する。英国人と米国人の会話はそれゆえ、往々にしてかみ合わない。

  •  片思いは切ない。一途(いちず)であればあるほど、滑稽に映ることもある。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日、日本統治からの解放を記念する光復節での演説で北朝鮮に改めて求愛した。「経済協力が速…

  •  冷戦期、米国と旧ソ連は宇宙開発で、熾烈(しれつ)な争いを繰り広げていた。常に先手を取っていたのは、ソ連である。1957年に世界初の人工衛星を打ち上げる。61年には、ガガーリン飛行士が初の宇宙飛行に成…

  •  今年も『孫たちへの証言』(新風書房)が送られてきた。昭和63年に創刊された戦争体験の記録集も第32集となる。ずっと編集してきた福山琢磨さんは平成の終幕とともに、若手にバトンタッチするはずだった。

  •  蒸し暑い夜、ほろ酔い気分で地下鉄を降り、階段をのぼって大通りに出てみると車一台走らず、人っ子一人歩いていない。おかしい。酔っ払って乗り過ごしたかなぁ、と地図を見ようとスマホを取り出そうとしたとき、ド…

  •  弁護士の三井義広さんが、男に果物ナイフで背中を刺されたのは白昼、客でにぎわう喫茶店の中だった。傷は肺まで達したが、からくも死は免れた。100キロを超える巨漢だった三井さんは、医師に皮下脂肪の厚さのお…

  •  「山」という単語は、フランス語では女性名詞として扱われる。東京帝大仏文科に学んだ太宰治は、女性をもてなすような筆致で山を描いた。郷里青森で随一の高さを誇る岩木山を、小説『津軽』で賛美している。

  •  日本列島を酷暑が襲う最中、事態はさらに過熱している。愛知県の国際芸術祭の企画展「表現の不自由展・その後」が中止された問題は、マスコミやインターネットでさまざまな論点をめぐり論争を巻き起こしたほか、首…

  •  日本語特有のあいまいさを含んだ言葉の一つに、「善処します」がある。1969年の日米首脳会談で、ニクソン米大統領から繊維の輸出規制を迫られた佐藤栄作首相が、この言葉を使ったとされる。

  •  何をコラムのテーマにするのか決まらず、頭を抱えていた昨日の午後、驚きのニュースが飛び込んできた。自民党の小泉進次郎衆院議員(38)とフリーアナウンサーの滝川クリステルさん(41)の結婚である。

  •  米南部テキサス州のエルパソといえば、映画ファンなら「夕陽のガンマン」(1965年)を思い出すだろう。哀愁漂う口笛のメロディーから始まる、西部劇の名作である。脱獄囚を追う、凄腕(すごうで)の賞金稼ぎを…

  •  「もし『笑顔』という競技があれば、彼女たちは表彰台のトップに立つだろう」。英国の新聞からこうたたえられたのが、カーリング女子の日本チーム、LS北見である。「キープスマイル」を合言葉とし、昨年の平昌(…

  •  残念ながら、地元紙の神戸新聞と小紙しか報じなかった。神戸市須磨区のデパートで7月下旬に予定されていた自衛隊の車両を展示するイベントが、中止に追い込まれたニュースである。ある女性団体は、短文投稿サイト…

  •  太宰治の短編『トカトントン』は、書き出しの意外さが忘れ難い。〈拝啓。一つだけ教えて下さい。困っているのです〉。実際に届いた読者の手紙から、想を練った作品だという。文豪の豊かな遊び心と着想の妙に、一読…

  •  「徴用工問題は、日韓請求権協定の対象に入っている」。平成26年、趙世暎(チョ・セヨン)・元韓国外務省東北アジア局長は小欄の取材に明言し、こうも強調した。「韓国が行政として外国と結んだ条約の責任がある…

  •  多くの関所があった江戸時代、旅行は厳しく制限されていたイメージが強い。実は抜け道があって、庶民は旅を大いに楽しんだ。なかでも人気を呼んだのは、伊勢参りである。当時の人口比で20人に1人が伊勢参宮を行…

  •  明治の初めに、わが国の近代郵便制度を作り上げた前島密(ひそか)は、漢字廃止論者だった。文明開化にとって、漢字は邪魔になると考えたからだ。自ら、仮名ばかりで書かれた新聞も発行している。

  •  「戦死やあわれ 兵隊の死ぬるや あわれ」「骨を愛する人もなし」。終戦4カ月前にフィリピンで戦死した詩人、竹内浩三の『骨のうたう』である。遺骨となって帰還後、故国をながめている。もっとも、遺族が受け取…

  •  徳川幕府の3代将軍、家光の乳母となり、大奥を支配した春日局は、厳しい残暑の最中に65歳で急死した。精神科医の和田秀樹さんは、加齢により体温調節機能が低下し、臓器細胞が障害を受けて死に至ったと診断する…

  •  個人的な話を書くのは、日ごろ厚顔無恥な抄子でも気が引けるが、少々お許し願いたい。平成の終わりから令和にかけて恩師の夫人、叔父、母親、それに大学の同級生と立て続けに近しい人々が鬼籍に入った。

  •  将棋界は席次にうるさい社会である。盤をはさみ上座と下座があり、どちらに座るかは本来、実績で決まる。谷川浩司九段の挿話を思い出す。史上最年少の21歳で名人に就いた後、名のあるベテランと対局に臨んだ。

  •  「出席者からヒアリング(聴取)した現場の雰囲気を報告します」。ジュネーブで24日に終了した世界貿易機関(WTO)一般理事会について、世耕弘成経済産業相が25日、自身のツイッターで解説した。会員制交流…

  •  落語家の古今亭志ん朝さんは、亡くなるまでウナギを一切食べなかった。嫌いだったわけではない。志ん朝さんの守り本尊である虚空蔵菩薩には、ウナギに乗って天から舞い降りてきたとの言い伝えがあった。志ん朝さん…

  •  第二次大戦時の首相、ウィンストン・チャーチルに関する本は、現在の英国でも年間100冊ほどが出版されているそうだ。『チャーチル・ファクター』(プレジデント社)もその一つである。新首相に就任するボリス・…

  •  駅の待合室には紙くずだらけ。路上にも、住民がぶちまけた台所の残り物が散乱している。公衆便所のあまりの不潔さに、卒倒した外国人女性もいたそうだ。昭和39(1964)年の東京五輪開催を直前にひかえた頃の…

  •  病気、離婚、痴漢、暴行、SNS炎上、男女間のトラブル、賭博、薬物…。約6千人の芸人やタレントを抱える吉本興業は、あらゆる「有事」を経験してきた。4年前に退社するまで、広報マンとして35年にわたって謝…

  •  第1回の参院選は、昭和22年4月に行われた。無所属議員が108人も当選し、第一党の社会党をはるかに超える勢力となった。作家の山本有三らが無所属議員に呼びかけて結成したのが「緑風会」である。

  •  雪の上を人が歩くにつれて足跡が増える。セル画全盛期のアニメ作品では、骨の折れる表現だった。1枚のセルに必要な数の足跡を描き、カメラを回す。一コマごとに足跡を一つずつ手作業で消してゆき、最後にフィルム…

  •  もっともらしい顔で、とんでもないことを言う人がいる。集団的自衛権の行使を限定容認した安全保障関連法の成立直後の平成27年9月のことである。朝日新聞で、著名な憲法学者の長谷部恭男氏が同法を批判し、憲法…

  •  来年公開が予定されている英人気スパイ映画「007」シリーズ最新作では、黒人の女優がコードネーム「007」のスパイを演じると報道されて話題になっている。もうひとつ注目の的が、主人公のジェームズ・ボンド…

  •  宮沢賢治の有名な詩『雨ニモマケズ』は、遺品のトランクにあった手帳に鉛筆書きされていた。その一節、「ヒドリノトキハ ナミダヲナガシ」の解釈をめぐって、研究者の間で今も論争が続いている。

  •  昨年8月末、英国とフランスの間で「ホタテ戦争」が勃発した。仏北部のノルマンディー地方沖で、約40隻のフランス漁船が5隻の英国漁船を取り囲み、操業を妨害した。けが人は出なかったが、石を投げ合い、船体を…

  •  きょうは「海の日」。平成7年に制定され、途中から3連休にするため7月の第3月曜日になった。そのためか、この日の由来を忘れてしまった不心得者も論説委員室にいる。

  •  梅雨明けのコラムにふさわしい、とメモしておいた五行歌がある。〈穴蝉の/背を割って/森の/賑(にぎ)わいが/生まれた〉浜田美智子(草壁焔太編『五行歌の事典』から)。列島の南側に前線が居座る天気図を見て…

  •  社会的弱者や人権派、平和主義者の装いで身を守りつつ、実際は暴力で自分たちの主義主張を通そうとするほど、卑怯(ひきょう)な振る舞いはない。触らぬ神にたたりなしとばかりに、見て見ぬふりをするのも同じこと…

  •  イラン・イラク戦争は、1980年から8年続き、100万人を超える死者が出た。途中の84年からは、いわゆるタンカー戦争が始まる。両国が、ペルシャ湾を航行するタンカーなどに、無差別ともいえる攻撃を仕掛け…

  •  イラン革命前夜の1978年12月、混乱の最中にあったテヘランから、最悪の知らせが届いた。米コンピューター・ソフト会社EDSの幹部2人が逮捕されたというのだ。

  •  太平洋の孤島、イースター島のモアイ像は、いまだ大きな謎に包まれている。ノルウェーの人類学者、ハイエルダールは、南米の巨石文化とのつながりに注目した。

  •  97年前の今日、60歳で世を去った文豪・森鴎外は、娘を溺愛していた。長女の茉莉(まり)が幼い頃、書斎に入っていくと、仕事を中断して膝の上に乗せた。「お茉莉は上等、目も上等、鼻も上等、頬っぺも上等、性…

  •  大坂なおみ選手のまさかの初戦敗退は残念だったが、錦織圭選手は絶好調である。テニスのウィンブルドン選手権で、1セットも落とさないまま16強入りを決めた。トップ選手と当たる後半戦が、ますます楽しみである…

  •  学業であれ事業であれ、命懸けで立てた志ほど強いものはない。知られた詩の一節がある。〈学もし成らずんば死すとも還(かえ)らじ…人間(じんかん)/到(いた)る処(ところ)/青山(せいざん)有り〉。幕末の…

  •  予想された事態だとはいえ、あきれ果てる。慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的」な解決をうたった平成27年の日韓合意に基づき、韓国で設立された慰安婦財団が解散した。韓国側は日本政府に「手続きが完了したわけ…

  •  昨年1年間に韓国からは753万9000人、台湾からは475万7300人の旅行者が日本を訪れた。多くの人が、寿司(すし)や刺し身を堪能したことだろう。ただせっかく味を覚えても、帰国すれば食べられなくな…

  •  昨日の各紙は、中央官庁の幹部人事を一斉に報じていた。そのなかでも破格の扱いで伝えていたのが、文部科学省の初等中等教育局長に丸山洋司官房審議官(57)を起用する人事である。文科省担当の記者に聞くと、省…

  •  昨日の社会面に掲載された元共産党国対委員長、松本善明(ぜんめい)さんの訃報記事のなかで、なつかしい名前を見つけた。松本さんの最初の妻、絵本作家のいわさきちひろさんである。

  •  月刊『Hanada』4月号では、元駐韓国大使の武藤正敏さんと作家の百田尚樹さんが「韓国大闘論」を繰り広げていた。「悪夢のような文在寅政権」をめぐってである。韓国海軍による自衛隊機へのレーダー照射や徴…

  •  最近は、冗談の一つもなかなか言えないご時世になった。こう見えて小欄もいろいろと気を使っている。平成の半ばごろまでは、ある種の髪形の人を「おい、●●(小心のため伏せ字にした)」と呼びかけていたのを悔い…

  •  おごり高ぶる人を前にすると、負けじと胸を反らせてしまう。謙虚な人の前では、こちらも自然と腰が低くなる。〈人と人との応接は、要するに鏡のようなものである〉(吉川英治『三国志』)。人情の機微だろう。

  •  「厳密なモニタリングを行い検査した結果、規制対象から外します」。欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長は、27日の安倍晋三首相との会談で述べた。東電福島第1原発事故に伴う日本産食品輸入規制を、大幅に緩…

  •  「とかく日本人は椅子に座りたがり過ぎる」。映画監督の故大島渚さんが、平成7年に雑誌に寄稿したエッセーで指摘していた。立食パーティーでさえ壁際にずらりと椅子が並んでいる、とあきれている。

  •  「梅雨が好きなわけではないが、なんとなく落ち着かない」。24日付小紙大阪版夕刊のコラムは、少雨が続く空の異変をいぶかっていた。それを打ち消すように、梅雨前線がようやく北上してきた。気象庁は昨日、九州…

  •  2008年のノーベル賞は、物理学賞と化学賞で日本人4人受賞の快挙に沸いた。実は医学・生理学賞も注目の的だった。仏パスツール研究所のリュック・モンタニエ博士の受賞で、フランスと米国の威信のかかった長年…

  •  69年前の今日、朝鮮戦争が勃発した。未明にソ連の支援を受けた10万の北朝鮮軍が38度線を突破し、総攻撃をかけた。日本の世界史の教科書にも記載されている、歴史的事実である。

  •  先の大戦で米軍に「パーフェクトゲーム」と言わしめた日本軍の作戦がある。76年前、昭和18年6月から7月にかけたちょうどいまごろ秘(ひそ)かに準備が進められた。米軍の包囲をかいくぐり、陸海軍将兵520…

  •  今は亡き落語家の笑福亭松之助さんに、高校生が弟子入りを志願した。風刺の利いた新作落語で人気を博していた、昭和49年の話という。「何でワシのとこなんかに来たんや」。尋ねる師匠に、若者はあけすけに答えた…

  •  共産党のご都合主義は過去に何度か紹介したが、分かっていても驚く。20日の参院環境委員会で、党所属議員が訴えていた。「公務員獣医師が足りないという現実もある」。公務員獣医師不足解消を目指した加計学園の…

  •  今月18日夜に放映されたNHKの「クローズアップ現代+」は、緊急地震速報で中断されてしまった。東京地検の特別執行担当に、初めて密着取材していた。別の資料によれば昭和49年の設置以来、職員は「遁刑(と…

  •  5年前、夫の瓜生(うりゅう)新兵衛との間に縁談が持ち上がったとき、剣の達人との触れ込みだった。満江が疑惑をもったのは、あの地震の夜からだ。激しい揺れで跳び起きると、黒い影が部屋を飛び出して行くのを見…

  •  高齢ドライバーの暴走による悲惨な事故をいかに防ぐか。自動車の運転に法律で年齢制限を設けるべきだ、との意見がある。ただ、小紙とFNNが行った合同世論調査では、高齢男性の約6割が反対していた。

  •  薩摩焼の陶郷である苗代川(なえしろがわ)は、鹿児島市から車で西へ40分ほどの丘陵地帯にある。十四代沈寿官(ちん・じゅかん)さんが、いつものように仕事をしていると、お手伝いさんが飛び込んできた。

  •  「恥ずかしくて、いまだにあの交番の前を通れません」。作家の山口恵以子(えいこ)さんが、「小説は夫、お酒はカレシ」の副題のついたエッセーで、「我が酔っ払い人生最大の痛恨事」を書いている。

  •  貴人の飲食物を毒味する役目は、平安期にはすでにあった。元旦に天皇が召し上がる屠蘇(とそ)を試飲するなどした、薬子(くすりこ)という未婚の女性がそれである。毒味役に「鬼」や「鬼食ひ」の異名があるのは、…

  •  「核兵器を製造も所有も使用もしない」。イランの最高指導者、ハメネイ師は13日、安倍晋三首相に語った。イランと北朝鮮が核・ミサイル開発で協力関係にあるとは、かねて指摘されてきた。イラン同様、米国からテ…

  •  30年前の天安門事件の後デモのリーダーたちは、中国当局から指名手配された。彼らに手をさしのべたのが、香港の民主化活動グループである。

  •  大地震が相次ぎ、富士山が噴火、やがて日本列島が海にのみ込まれていく。昭和48年に刊行された小松左京さんの『日本沈没』は空前のベストセラーとなった。未曽有の危機にどう対処するのか。学者グループは不眠不…

  •  田辺聖子さんが作家になる前、金物問屋で働いていた話は昨日書いた。目の回るような忙しさの中、当然、男たちの口は荒くなる。自伝小説『しんこ細工の猿や雉(きじ)』に、こんな描写がある。